障害年金は年収はいくらまで働けますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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精神疾患で障害年金を申請しようと思っています。
ここのところ状態が改善し、医師も少しなら働いてもいいと言ってくれています。
障害年金の支給に引っかからないように働きたいと思っているのですが、年収はいくらまで働けますか?
障害年金には原則として所得制限はありません。
そのため、「10万円稼いだら不支給、9万円なら支給」といった「いくらまでなら働いても大丈夫」という基準は設けられておりません。
障害年金はあくまでも、障害の状態を審査され、障害の状態が障害等級に該当する、と判断されれば受給することができます。
では、どのような状態なら障害等級に該当するか、確認しましょう。
どのような状態なら障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級▼障害厚生年金
1級、2級、3級障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。
障害年金の等級 障害の状態 3級
※障害厚生年金のみ労働に著しい制限があるもの 2級 日常生活に著しい制限があるもの 1級 他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの ※人格障害は、原則として認定の対象とされていません。
※神経症は、原則として認定の対象とされていません。例外はこちら。
上記の等級に該当するかどうかを判断するために、働いている場合は以下のように取り扱われます。
精神障害で働いている場合に考慮されること
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、
- 療養状況…通院の状況や在宅での療養の状況等
- 仕事の種類、内容
- 就労状況…出勤状況への影響はないか
- 仕事場で受けている援助の内容…就労の実態は不安定ではないか
- 他の従業員との意思疎通の状況…臨機応変な対応や意思疎通に困難な状況が見られないか
等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
実際に就労しながら障害年金を受給している方の割合をデータで確認しましょう。
働いているからといって不支給になるとは限りません。
働いているからといって、不支給になるとは限りません。
障害年金の受給者のうち、34.06%の方々が働きながら受給しています。
受給者数 働いていない 働いている 働いている人の割合 2,096,000人 1,346,000人 714,000人 34.06% そして、精神の障害については、28.28%の方々が働きながら受給しています。
精神障害による
受給者数働いていない 働いている 働いている人の割合 725,000人 508,000人 205,000人 28.28% また、働いていることを理由に支給が認められなかった方が訴訟した結果、受給が認められた判例もあります。
このように、働いているからといって受給できないわけではないことがわかります。
以下で就労しながら障害年金を受給できた事例を紹介しております。
大まかな収入額も記載しておりますので、クリックして確認してみてくださいね。
働きながら障害年金を受給できた事例
- うつ病で働きながら障害年金を受給できた事例
- 統合失調症で働きながら障害年金を受給できた事例
- 双極性障害で働きながら障害年金を受給できた事例
- 広汎性発達障害で働きながら障害年金を受給できた事例
- 自閉スペクトラム症で働きながら障害年金を受給できた事例
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)で一人暮らしで働きながら障害年金を受給できた事例
- 高次脳機能障害で働きながら障害年金を受給できた事例
なお、20歳前傷病の障害基礎年金の場合は、所得制限があります。
20歳前傷病の障害基礎年金の所得制限
ただし、例外として20歳前傷病の障害基礎年金の場合、所得制限があります。
所得制限については、扶養親族がいない場合、
- 所得額4,621,000円を超えると全額支給停止
- 所得額3,604,000円を超えると年金額の2分の1が支給停止
となっています。
ご注意ください。
障害年金を受給するために
障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。
当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。
最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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