脳出血です。障害年金のことを初めて知りましたが、もらえますか。

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脳出血です。障害年金のことを初めて知りましたが、もらえますか。

中井智博
中井智博社会保険労務士
  • 詳しいプロフィール
公開日:

夫が脳出血になりました。

まだ55歳で働き盛りなのに、突然倒れて救急車で病院に運ばれ、緊急手術を受けました。

今はリハビリ病院でリハビリに励んでいますが、なかなか改善はしていきません。

話すのにも苦労しています。

リハビリ病院で障害年金のことを聞いたのですが、障害年金のことを初めて知ったので何もわかりません。

障害年金をもらえますか。

脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患の総称であり、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳内の細い血管が破れて出血する「脳出血」、脳の表面の血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破れる「くも膜下出血」があります。

脳卒中を含む脳血管疾患で通院している患者数は 118 万人と推計されており、弊所でも大変ご相談の多い傷病です。

参照元:厚生労働省 脳卒中に関する留意事項

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の後遺症は、障害年金の認定の対象とされているので基準を満たせば受給できます。

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

種類 対象となる人
障害基礎年金 「初診日」に国民年金に加入していた人
障害厚生年金 「初診日」が厚生年金保険加入中にある人

※「初診日」とは、「病気やけがについて初めて医師の診療を受けた日」を指します

自営業者、フリーランス、専業主婦、無職の方は、障害基礎年金の対象となります。

障害の状態の前に、請求の条件を確認しましょう

障害年金を請求するためには以下の要件を満たしていることが前提となります。

このふたつの要件を満たしていれば、障害年金を請求することができ、障害の状態が基準に該当しているかどうか、審査を受けることができます。

審査の結果、基準に該当すると判断されれば、障害年金を受給することができます。

では、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血での障害年金の請求について、詳しくみていきましょう。

ここでは「肢体の障害」について記載します。

※高次脳機能障害についてはこちら

※言語の障害についてはこちら

どのような状態なら障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

▼障害厚生年金
1級、2級、3級

障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。

障害年金の等級 障害の状態
3級
※障害厚生年金のみ
労働に著しい制限があるもの
2級 日常生活に著しい制限があるもの
1級 他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの
障害年金の受給額は以下の通りです。
障害等級 障害基礎年金 障害厚生年金
1級 年1,039,625円 年1,039,625円+報酬比例の年金額×1.25
2級 年831,700円 年831,700円+報酬比例の年金額
3級 報酬比例の年金額(最低保障額623,800円)

障害年金だけで悠々自適ではありませんが、受給できれば、日常生活に大きな助けとなるでしょう

このページの最後の方に弊所で手伝って受給できた事例を掲載していますので、そちらもご確認ください。

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血による「肢体の障害」で審査されること

障害年金においては上記の等級に該当するかどうかを、「日常生活における動作」を中心に審査され、具体的には以下に該当するかどうかを判断されます。

障害の程度

障害の状態

1級

1. 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの

2. 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2級

1. 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2. 四肢に機能障害を残すもの

3級

一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

※上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定されます。

  • 一上肢とは…右か左の腕
  • 一下肢とは…右か左の足
  • 四肢とは…両腕両足
  • 「用を全く廃したもの」とは

日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。

  • 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは

日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。

  • 「機能障害を残すもの」とは

日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。

具体的にどのような項目を審査されるのか、以下で確認しましょう。

「日常生活における動作」の評価項目

日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができませんが、おおむね次のとおりです。

 ア.手指の機能

 (ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)

 (イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)

 (ウ)タオルを絞る(水をきれる程度)

 (エ)ひもを結ぶ

 イ.上肢の機能

 (ア)さじで食事をする

 (イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)

 (ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)

 (エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)

 (オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)

 (カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

 ウ.下肢の機能

 (ア)片足で立つ

 (イ)歩く(屋内)

 (ウ)歩く(屋外)

 (エ)立ち上がる

 (オ)階段を上る

 (カ)階段を下りる

※補助用具を使わないでどの程度の状態なのかを判断されます。

肢体の機能の障害の総合的な認定について

肢体の障害については上記「日常生活における動作」だけでなく、以下も考慮され、総合的に認定されます。

  • 関節可動域
  • 筋力
  • 巧緻性
  • 速さ
  • 耐久性

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、以下を考慮され、総合的に認定されます。

  • 筋力
  • 巧緻性
  • 速さ
  • 耐久性

他動可動域…関節の可動域について、検査者が腕や足を持って動かそうとします。それで動く範囲が可動域となります。

関節を誰かが押したり引いたりしても動かなくなる傷病なら、他動可動域で障害の状態を判断するのが適切です。

しかし、脳出血や脳梗塞の後遺症のような、脳からの運動信号がうまく伝達しないため思うように動かせないような傷病を想像してください。

こういった傷病は誰かが関節を押したり引いたりしたらちゃんと動きます。

他動可動域のみで判断すると、「障害ではない」になります。

しかし、実際は以下のような状態です。

  • 靴下を履くだけで15分かかる(速さ)
  • うまく食べ物を口に運べない(巧緻性)
  • 歩けるけどゆっくりと10メートルだけ(速さと耐久性)

こうした方も「他動可動域が正常だから障害ではない」ではなく、違う角度から審査して障害の状態を見極める必要がある、実際の日常生活における実用性もきちんと判断材料にしましょう、という趣旨です。

それでは手続きの流れを確認しましょう。

障害年金の請求手続きの流れ

「障害年金を請求しよう!」と思ってから請求までの大まかな流れは以下の通りとなります。

  1. 初診日はいつだったかを確認する
  2. 保険料納付要件を満たしているかを確認する
  3. 初診日を証明する
  4. 医師に診断書を書いていただく
  5. 病歴・就労状況等申立書を作成する
  6. その他の必要な書類を添付する
  7. 年金請求書とともに揃えた書類を提出する

以下では弊事務所でサポートした脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の受給事例を紹介いたします。

ご参考いただき「自分ももらえるのではないか」という可能性を考えてみましょう。

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血での受給事例

事例1 病名:脳梗塞(初診日の証明が難しい事例)

18年前、友人と会っているときに発症し救急搬送されました。その後リハビリを行いましたが言語機能と右半身に障害が残りました。リハビリ病院を退院後は以前勤めていた職場に復帰していましたが、業務に対応ができず退職に至りました。経済的な不安から障害年金の請求を検討されましたが、初診日からすでに18年が経過しており、初診の医療機関ではカルテが破棄されていました。初診日の特定につまずき、弊所にご相談に見えました。

傷病名

脳梗塞

障害の状態

右不全片麻痺、右半身感覚鈍麻

就労状況

無職

身体障害者手帳の等級

身体障害者手帳3級(右下肢機能の著しい障害4級、言語機能の著しい障害4級)

労働能力及び日常生活能力

労働能力はない

予後

回復不能

認定が得られた障害年金の等級

障害厚生年金3級

障害年金の受給額

年額約70万円

本事例のポイント

初診の医療機関ではカルテが破棄されており、初診日の特定が難航しました。

「初診日の証明」が何より重要!

受診状況等証明書

初診日の証明書(受診状況等証明書といいます)は、原則として、カルテに基づいて作成していただきます。カルテの保存期間は法律上5年間ですので、初診日に受診した医療機関にいかなくなってから5年以上経っている場合はカルテが破棄されていることがあります。

医療機関によっては5年より長い保存時間を定めているところもありますので、まずは連絡して確認しましょう。

初診日を確定できないと、

  • 障害基礎年金の請求か、障害厚生年金の請求か。
  • 保険料納付要件を満たしているか。
  • 障害認定日はいつか。

を決めることができません。

これは、どんなに現在の障害の状態が重くても、障害年金の請求手続きすべてが止まってしまうことを意味します。

自分ひとりでは初診日が分からない、確定できないという方はご相談ください。

初診日の確定のために探偵のようになります。

請求サポートさせていただき、無事支給となりました。

初診の医療機関のカルテはすでに破棄されていましたが、現在手に入る書類、お手元にお持ちの書類から初診日が特定できないか、ひとつひとつを精査していきました。

結果、初診の医療機関のカルテはりませんでしたが、客観的に初診日を特定することができ、障害厚生年金3級を受給することができました。

「もう無理ではないか」と諦めかけておられたので、大変喜んでおられました。

事例2 病名:くも膜下出血(働きながら障害年金を受給できた事例)

約16年前に会社の会議中にくも膜下出血を発症、救急搬送されましたが、右片麻痺が残り、杖を使用して生活していました。

左手での簡単なパソコン作業しかできませんでしたが、特殊な技術、知識を要する仕事であったため、職場に復帰することができました。

障害年金の請求を検討されましたが、「ずっと就労しているから障害年金はもらえないのではないか」と不安を持って弊事務所にご相談に見えました。

傷病名

くも膜下出血

障害の状態

右片麻痺残存。

就労状況

正社員にて週5日勤務。給与額が月に約30万円であった。

身体障害者手帳の等級

身体障害者手帳1級(右上肢機能の全廃2級、右下肢機能の全廃3級)

労働能力及び日常生活能力

杖なしでは歩行困難。簡単なデスクワークであれば左手にて可能。

予後

右片麻痺は今後も残存する。

認定が得られた障害年金の等級

障害厚生年金2級

障害年金の受給額

年額約190万円

本事例のポイント

これまで継続して働いており、現在も就労している状況下での障害年金請求でした。

働いているからといって不支給になるとは限りません。

働いているからといって、不支給になるとは限りません。

障害年金の受給者のうち、34.06%の方々が働きながら受給しています。

受給者数 働いていない 働いている 働いている人の割合
2,096,000人 1,346,000人 714,000人 34.06%

参照元:年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)

請求サポートさせていただき、無事支給となりました。

肢体の障害や眼の障害、聴覚障害などは就労していることは、障害の状態の審査項目に含まれていません。

そのため、働いていたとしても十分に認定を得られる可能性があります。

結果、無事に障害厚生年金2級を得ることができ、「働いていたらもらえないのではないか」と強い不安を持っておられたので、非常に喜んでおられました。

事例3 病名:脳出血(初診日から6か月で請求した事例)

外出中に脳出血を発症、すぐに救急搬送をされましたが、左半身に麻痺が残りました。

その後グループホームに入所しておられ、1年6月の経過を待って障害年金の請求を検討され、弊所にご相談に見えました。

傷病名

脳出血(右被殻出血)

障害の状態

左半身麻痺

就労状況

無職。

障害者手帳の等級

障害者手帳3級(左上肢機能の著しい障害)

労働能力及び日常生活能力

労働能力がなく、日常生活に著しい制限を受けている。

予後

症状が固定している

認定が得られた障害年金の等級

障害基礎年金2級

障害年金の受給額

年額約78万円

本事例のポイント

「初診日から6か月経過後の症状固定日」を障害認定日として請求をしました。

初診日から6か月経過後の症状固定日を障害認定日として請求しました。

通常、障害年金は障害認定日が到来しなければ請求することができません。

障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として「初診日から1年6月を経過した日」となります。

しかし、脳血管疾患による障害の場合は、初診日から1年6月が経つ前に、

  • 初診日から6か月以上経過している。
  • 症状が固定している(これ以上医療の効果が期待できない状態に至った場合)。

の両方を満たす場合は、症状固定日を障害認定日として請求をすることができます。

リハビリテーションを行っている場合でも、機能回復を目的としたものではなく、現状維持を目的としている場合は、症状固定が認められるケースがあります。

遡及請求について

障害認定日から長期間経過していたとしても、障害認定日から3か月以内の診断書を取得することができれば、障害認定日時点で審査を受けることができます。

審査の結果、障害認定日の時点で障害等級に該当すると判断された場合、障害認定日にさかのぼって受給権が得られ、障害認定日から現在までの障害年金(最大5年分)をさかのぼって受給することができます。

請求サポートさせていただき、無事支給となりました。

詳しく聞き取りをすると、初診日から6か月の時点ではリハビリ病院に入院していましたが、機能回復を目的としたリハビリではなかったため、「初診日から6か月経過後の症状固定日」を障害認定日として請求が可能であることがうかがえました。

「初診日から6か月経過後の症状固定日」を障害認定日として請求をし、認定を得ることができたため、障害認定日の翌月分から受給することができ、結果として約1年分の障害年金を遡って受給することができ、大変喜んでおられました。

それでは、障害年金の審査について詳しくみていきましょう。

障害年金の審査について

障害年金の審査に、面接はありません。

すべて書類で審査されます。

そのため、書類だけで「日常生活にどのような制限を受けているのか」「働いているならどんな風に働いているのか」を審査機関に分かるように作成しなければなりません。

本当は障害年金を受給できる状態なのに、書類が不十分だからといって不支給になるのは残念なことです。

障害の状態の審査には、主に「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」が使用されます。

診断書について

診断書:肢体の障害用 診断書:肢体の障害用2

障害年金を請求するための診断書は、治療のための医学的な診断書ではなく、生活に必要な所得保障のための社会医学的な診断書です。

そのため、病気やけがなどによって日常生活にどれくらい影響を及ぼしているかがわかるように作成いただくことが大切です。

自分一人でお医者様に伝えることが難しい場合は、お医者様に伝えるべきポイントを整理するようサポート致しますのでお問い合わせください。

病歴・就労状況等申立書について

病歴・就労状況等申立書 病歴・就労状況等申立書2

これは、「発病から現在までの病状・治療の流れ」「日常生活の様子」を記述し、あなたの症状や生活状況が、障害年金の基準を満たすことを申し立てるものです。

適切な「病歴・就労状況等申立書」を作るために必要なことは以下の2点です。

  1. 自分自身の状況を客観的に把握すること
  2. 把握した内容を、審査機関に伝わるようにわかりやすく記述すること

ただでさえ障害を抱えて大変な状況なのに、時間と精神的・体力的な負担がかかる作業になるおそれがあります。

私にご相談いただければ、代筆いたします。

障害年金を受給するために

障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。

当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。

最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

お気軽にお問合せください。

障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。

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