夫が脳出血で倒れました。傷病手当金ではなく障害年金の手続きをした方が良いのでしょうか?

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夫が脳出血で倒れました。傷病手当金ではなく障害年金の手続きをした方が良いのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
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先日夫が脳出血で倒れました。

医師からは麻痺が残るかもしれないと言われています。

会社は今のところ有給休暇で、来月から傷病手当金をいただくことなりました。

傷病手当金とは別に障害年金ももらえるそうですが、傷病手当金は1年6か月だけで、障害年金はこれからずっともらえると聞きました。

であれば、傷病手当金ではなく障害年金の手続きをした方が良いのでしょうか?

本事案の場合、先に傷病手当金を請求し、後に障害年金の手続きをする方がいいでしょう。

まず、傷病手当金の支給要件を確認し、次に障害年金の請求が可能になる時期を確認しましょう。

傷病手当金は、以下の支給要件を満たすことができれば、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます

傷病手当金の支給要件

傷病手当金の支給要件は以下4点となります。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

では、障害年金はいつから請求が可能かを確認しましょう。

脳血管疾患の障害認定日

障害年金は、障害認定日が到来すれば請求することができます。

障害認定日とは障害の程度の認定を行うべき日をいい、脳血管疾患による障害の場合、障害認定日は以下のいずれか早い方の日となります。

  • 初診日から6か月経過後の症状固定日
  • 初診日から1年6か月を経過した日

本事案の場合

脳出血などの脳血管疾患の場合は、障害年金の請求が可能となるのは「最短でも初診日から6か月経過後」になります。

一方、傷病手当金は、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった場合に4日目以降について支給されます。

支給の請求ができる時期が、傷病手当金の方がはるかに早いため、本事案の場合、先に傷病手当金を請求し、後に障害年金の手続きをする方がいいでしょう。

では、以下ではどのような状態なら脳出血による肢体の障害で障害年金を受給できるか、確認しましょう。

どのような状態なら脳出血による肢体の障害で障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

▼障害厚生年金
1級、2級、3級

障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

肢体の障害の認定について

肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。

障害の程度

障害の状態

1級

1. 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの

2. 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2級

1. 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2. 四肢に機能障害を残すもの

3級

一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

※上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定されます。

  • 一上肢とは…右か左の腕
  • 一下肢とは…右か左の足
  • 四肢とは…両腕両足
  • 「用を全く廃したもの」とは…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。
  • 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。
  • 「機能障害を残すもの」とは…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。

具体的にどのような項目を審査されるのか、以下で確認しましょう。

「日常生活における動作」の評価項目

日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができませんが、おおむね次のとおりです。

 ア.手指の機能

 (ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)

 (イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)

 (ウ)タオルを絞る(水をきれる程度)

 (エ)ひもを結ぶ

 イ.上肢の機能

 (ア)さじで食事をする

 (イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)

 (ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)

 (エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)

 (オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)

 (カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

 ウ.下肢の機能

 (ア)片足で立つ

 (イ)歩く(屋内)

 (ウ)歩く(屋外)

 (エ)立ち上がる

 (オ)階段を上る

 (カ)階段を下りる

※補助用具を使わないでどの程度の状態なのかを判断されます。

なお、傷病手当金と障害厚生年金には併給調整がありますので、ご注意ください。

障害厚生年金と傷病手当金の併給調整について

同一傷病について、障害厚生年金を受給している期間と傷病手当金を受給している期間が重なっている場合、傷病手当金について減額調整されます。

  • 傷病手当金>障害厚生年金の場合、傷病手当金は差額分が支給されます。
  • 傷病手当金<障害厚生年金の場合、傷病手当金は支給されません。

※別傷病の場合は調整されません。また障害基礎年金のみの場合も調整は行われません。

障害年金を受給するために

障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。

そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

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