精神科の受診が初診日になり、障害基礎年金の申請になるのでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は現在30歳無職女性です。
もともとは仕事のストレスから耳鳴りが発生し、耳鼻科で診てもらっていたのですが聴力には問題はないと言われていました。
聴覚過敏だと言われ不眠症状も出てきたため精神科を勧められ、精神科で統合失調症と診断されました。
障害年金の申請を検討しており、耳鼻科の受診日を初診にして障害厚生年金の申請をしたいのですが、役所の人には、精神科の受診が初診日になり、その時は国民年金だったので障害基礎年金の申請になると言われました。
私の場合、障害基礎年金の申請になるのでしょうか。
ご質問内容からは詳細がわかりかねるため、初診日がいつになるかの判断は致しかねます。
例えば、耳鼻科を受診した際に聴力には問題はなく、当初から心因性を疑われていたケースであれば、初めて耳鼻科を受診した日を初診日と主張することは可能でしょう。その時点で厚生年金に加入している場合は、障害厚生年金の申請が可能となります。
ただし、耳鼻科では問題なしと言われ、しばらく経ってから精神科を勧められたケースであれば、精神科を勧められた日が初診日になる可能性が考えられます。その時点で国民年金に加入している場合は、障害基礎年金の申請になります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
※症状の重さによって等級が分けられています。
※3級が最も症状が軽く、2級、1級になるにつれて症状が重く、また受給額も多くなります。
ご質問内容からは詳細が分かりかねますが、上記について参考に初診日を特定し、障害年金の申請をご検討されてはいかがでしょうか。
なお、統合失調症の認定基準は次の通りです。
統合失調症の認定基準
- 1級…高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
- 2級…残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
(本回答は2022年8月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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