HIVと診断され、身体障害者手帳1級を取得しました。障害年金を受給するに値するのでしょうか?

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HIVと診断され、身体障害者手帳1級を取得しました。障害年金を受給するに値するのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
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公開日: 最終更新日:

私は去年HIVと診断され、今年になって身体障害者手帳1級を取得しました。

これは障害年金を受給するに値するのでしょうか?

ちなみにこの10年間、会社に勤め、厚生年金に加入しています。

まず、身体障害者手帳と障害年金の関係を確認し、次に両制度の基準の比較から、障害年金の認定を得られる可能性を検討しましょう。

身体障害者手帳と障害年金の関係について

身体障害者手帳と障害年金は、根拠法、認定基準、審査機関の異なる全く別の制度です。

両等級は対応しておりません。

では、両制度の認定基準を比較し、障害年金の等級に該当する可能性を検討してみましょう。

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいの身体障害者手帳1級の状態

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、日常生活活動がほとんど不可能なもの

13歳以上の場合、「日常生活活動がほとんど不可能なもの」とは、以下のいずれかに該当するもの

1.CD4陽性Tリンパ球数が200/μl 以下で、a~lのうち6項目以上が認められる

a 白血球数について 3,000/μl未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

b HB量について男性12g/dl未満、女性11g/dl未満の状態が4週以上の 間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

c 血小板数について10万/μl未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

d ヒト免疫不全ウイルス-RNA量について5,000コピー/ml以上の状態が4週以上の間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

e 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感と易疲労が月に7日以上ある

f 健常時と比べて10%以上の体重減少がある

g 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2か月以上続く

h 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある

i 1日に2回以上の嘔吐、あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある

j 口腔内カンジダ症(頻回に繰り返すもの)、赤痢アメーバ症、帯状疱疹、 単純ヘルペスウイルス感染症(頻回に繰り返すもの)、糞線虫症及び伝染性 軟属腫等の日和見感染症の既往がある

k 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である

l 軽作業を越える作業の回避が必要である

2.回復不能なエイズ合併症のため、介助なくしては日常生活がほとんど不可能な状態のもの

では、どのような状態ならHIVで障害年金を受給できるか、みていきましょう。

どのような状態ならHIVで障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

▼障害厚生年金
1級、2級、3級

障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。

障害の等級

障害の状態

1級

A(ア+イ+ウ)又はBを満たす場合とする。
【検査項目】
ア CD4値が200/ml以下(4週以上間隔を置いた直近の連続する2回の平均値)
イ 以下の項目のうち、3つ以上を満たす
(4週以上の間隔を置いた直近の検査において2回以上続く)
 a 白血球数が3000/ml未満
 b ヘモグロビン量が男性12g/dl 女性11g/dl未満
 c 血小板が10万/ml未満
 d ヒト免疫不全ウイルスーRNA量が5000コピー/ml以上
【身体症状等】
ウ 以下の項目のうち、4つ以上を満たす
 a 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月に7日以上ある
 b 病態の進行のため、健常時に比し10%以上の体重減少がある。
 c 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
 d 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
 e 1日に3回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
 f 動悸や息苦しくなる症状が毎日のように出現する。
 g 抗HIV療法による日常生活に支障を生じる副作用がある(a~f以外)。(抗HIV療法を実施している場合)
 h 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
 i 1年以内に口腔内カンジダ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症、伝染性軟属腫、尖圭コンジローム等の日和見感染症の既往がある。
 j 医学的理由(注1)により、抗HIV療法ができない状態である。

B 回復不能なエイズ合併症のため介助なくしては日常生活ができない状態(注2)である。

2級

A(ア+イ+ウ)又はB(ア+エ)を満たす場合とする。
【検査項目】
ア CD4値が200/μl以下(4週以上間隔を置いた直近の連続する2回の平均値)
イ 以下の項目のうち、2つ以上を満たす(4週以上の間隔を置いた直近の検査において2回以上続く)
 a 白血球数が3000/ml未満
 b ヘモグロビン量が男性12g/dl 女性11g/dl未満
 c 血小板が10万/ml未満
 d 人免疫不全ウイルスーRNA量が5000コピー/ml以上
【身体症状等】
ウ 以下の項目のうち、3つ以上を満たす
 a 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月に7日以上ある
 b 病態の進行のため、健常時に比し10%以上の体重減少がある。
 c 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
 d 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
 e 1日に2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
 f 動悸や息苦しくなる症状が毎日のように出現する。
 g 抗HIV療法による日常生活に支障を生じる副作用がある(a~f以外)。(抗HIV療法を実施している場合)
 h 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
 i 1年以内に口腔内カンジダ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症、伝染性軟属腫、尖圭コンジローム等の日和見感染症の既往がある。
 j 医学的理由(注1)により、抗HIV療法ができない状態である。

【その他】
エ エイズ発症の既往歴がある。

3級

※障害厚生年金のみ

A(ア+イ+ウ)又はB(ア+エ)を満たす場合とする。
【検査項目】
ア CD4値が350/ml以下(4週以上間隔を置いた直近の連続する2回の平均値)
イ 以下の項目のうち、2つ以上を満たす(4週以上の間隔を置いた直近の検査において2回以上続く)
 a 白血球数が3000/ml未満
 b ヘモグロビン量が男性12g/dl 女性11g/dl未満
 c 血小板が10万/ml未満
 d 人免疫不全ウイルスーRNA量が5000コピー/ml以上
【身体症状等】
ウ 以下の項目のうち、2つ以上を満たす
 a 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月に7日以上ある
 b 病気の進行のため、健常時に比し10%以上の体重減少がある。
 c 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
 d 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
 e 1日に2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
 f 動悸や息苦しくなる症状が毎日のように出現する。
 g 抗HIV療法による日常生活に支障を生じる副作用がある(a~f以外)。(抗HIV療法を実施している場合)
 h 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
 i 1年以内に口腔内カンジダ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症、伝染性軟属腫、尖圭コンジローム等の日和見感染症の既往がある。
 j 医学的理由(注1)により、抗HIV療法ができない状態である。

【その他】
エ エイズ発症の既往歴がある。

(注1)医学的理由とは、投薬による肝障害、白血球数減少などの副作用などの医学的事項をいう。

(注2)「回復不能なエイズ合併症のため介助なくしては日常生活ができない状態」とは、エイズ合併症(「サーベイランスのためのエイズ感染症/AIDS診断基準)(厚生省エイズ動向委員会、1999)が採択した指標疾患としてあげられる合併症」)が回復不能に陥り、日常生活のほとんどすべてが介助なくしては過ごすことができない状態をいう。

本事案の場合

身体障害者手帳と障害年金の認定基準が異なるため、等級に判断はいたしかねますが、上記を比較検討すると、CD4値等から障害年金2級以上に該当する可能性も考えられます。

障害年金を受給するために

障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。

そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

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