薬でてんかん発作が抑えられている場合は、やはり障害年金はもらえないのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は3歳の頃からてんかん持ちで、現在も服薬治療を続けています。
薬のおかげで発作は抑えられていますが、
いつ大きな発作が起こるかわからないので、事務職しかできないですし、
旅行なども気軽に行くことができません。
正直不安な毎日を送っています。
薬で発作が抑えられている場合は、やはり障害年金はもらえないのでしょうか?
本回答は2019年12月現在のものです。
てんかん発作については、
抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制されている場合にあっては、
原則として障害認定の対象にはなりません。
てんかんの場合は、十分な治療にもかかわらずてんかん発作があり、
労働や日常生活に支障をきたしている場合は、認定の対象となります。
ご質問者様の場合、現在は薬のおかげで発作は抑えられているとのことですので、
認定は難しいことが考えられます。
今後、服薬してもなお発作が出現するようになれば、認定の対象となります。
ご質問者様の場合、3歳の頃から治療を続けているとのことですので、
初診日は20歳前となり、20歳前傷病の障害基礎年金の請求になることが拝察されます。
障害の程度が2級以上に該当すると判断された場合、支給されます。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、
初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、
障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
てんかんの認定基準は、以下の通りです。
てんかんの認定にあたって
てんかんの認定に当たっては、発作の重症度
(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、
発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、
そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、
社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。
※てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象になりません。
てんかんの認定基準
【1級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの
(注)発作のタイプは以下の通りです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
申請の際は、上記の認定基準を参考にしていただけると幸いです。
なお、請求時に就労している場合は、日常生活能力について以下のように判断されます。
併せてご確認ください。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、
その療養状況を考慮するとともに、
仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、
他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで
日常生活能力を判断されます。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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