てんかんです。発作の回数が多くなれば障害年金2級になりますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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てんかんで障害厚生年金3級を受給しています。
以前よりも発作が起きるようになりました。
障害年金2級はどの程度の発作が起きればいいのですか?
発作の回数が多くなれば2級になりますか?
本回答は2019年10月現在のものです。
てんかんの場合、単に発作の回数が多くなれば2級になるとは限りません。
発作の頻度、重症度に加え、日常生活状況についても審査されます。
てんかんの認定基準は以下の通りです。
てんかんの認定にあたって
てんかんの認定に当たっては、発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、
発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、
そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、
社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。
※てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象になりません。
てんかんの認定基準
【1級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの
(注)発作のタイプは以下の通りです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
上記の通り、てんかんの障害の程度については、
発作の回数、重症度のみならず、
発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、
日常生活がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、
社会活動能力の損減を重視した観点から認定されます。
発作の回数のみで認定されるものではありません。
上記の2級の認定基準に該当する場合は、
次回の診断書提出時(更新時)に2級に改定される可能性が考えられます。
またそれ以前に2級に該当する程度となった場合は、
額改定請求により、2級に改定される場合があります。
額改定請求とは
障害の程度が重くなったときは、その旨を申し立て、
年金額の変更を請求することができます。
これを額改定請求といいます。
ただし、額改定請求には、原則として以下の待機期間が設けられています。
額改定請求の待期期間
額改定請求は原則として、次の日を経過した日以降にすることができます。
- 障害認定日請求により受給権を得た場合は、障害認定日から1年経った日
- 事後重症請求により受給権を得た場合は、裁定請求日から1年経った日
- 以前に額改定請求をした場合は、額改定請求日から1年経った日
- 障害状態確認届(現況診断書)提出により減額改定された場合は、誕生月から3ヶ月後の1日から1年経った日
- 障害状態確認届(現況診断書)提出により等級変更がなかった場合は、いつでも可能
ご質問内容からは現在の発作の頻度、重症度はわかりかねますが、
社会活動能力の損減の程度もあわせて検討して
額改定請求をご検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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