まず、障害年金の支給額を確認し、次に人工血管置換術を受けた場合の障害年金の取扱いを確認し、最後に老齢年金の繰り上げ受給をした場合の取扱いをみていきましょう。
障害年金の支給額
| 障害等級 |
障害基礎年金 |
障害厚生年金 |
| 1級 |
年1,059,125円 |
年1,059,125円+報酬比例の年金額×1.25 |
| 2級 |
年847,300円 |
年847,300円+報酬比例の年金額 |
| 3級 |
― |
報酬比例の年金額(最低保障額635,500円) |
人工血管置換術を受けた場合の障害年金
人工血管置換術を受け、かつ、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるものは原則として3級に相当します。
大動脈疾患については一般的には2級以上に該当しないとされていますが、本傷病に関連した合併症の程度や手術の後遺症によっては2級以上に認定するとされています。
支給額は上記3級「報酬比例の年金額」となります。
では、老齢年金の繰り上げ受給について確認しましょう。
老齢年金の繰り上げ受給について
老齢年金を繰り上げたときの減額率は、以下の通りとなります。
- 昭和37年(1962年)4月2日以降生まれの方…1カ月あたり 0.4%
- 昭和37年(1962年)4月1日以前生まれの方…1カ月あたり 0.5%
繰上げ受給をすると、減額された年金額は生涯変わりません。
減額率が0.5%(昭和37年4月1日以前生まれ)の方の場合、損益分岐点は受給開始から「16年8カ月」が経過した時点となります。
本事案の場合
人工血管で障害年金を申請した場合、障害厚生年金3級に認定される可能性が考えられます。
障害厚生年金3級と繰上げ受給した老齢年金では、繰上げ受給した老齢年金の方が支給額は多いでしょう。
しかしながら、老齢年金の繰上げ受給をした場合は、減額された年金を受給することとなり、減額された年金額は生涯変わることはありません。
昭和37年4月1日以前生まれの方が繰上げ受給した場合、繰上げ受給開始から16年8カ月を経過すると、65歳から受給した方が得だった、ということになります。
「老齢年金の繰り上げ受給をするか障害年金を受給するかどちらが得か」については、「何歳まで生きるか」で結果が変わります。
未来のこととなりますので、誰にもわかりません。
現在の経済状態、健康状態、価値観、人生観から決めることとなります。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。