障害年金の申請で却下されたのですが、不服申立てではどのような書類を提出すればよいでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私の母(55歳)は、左耳が全く聞こえません。
なんとか右耳の聴力だけで生活していますが、不便なことも多く疲れやすくて、パートも休みがちです。
そんな母のために障害年金を申請しましたが、初診日が特定できないからと却下されました。
初診日は30年前なのでカルテは残っておらず、診察券や領収書などの書類も残っていません。
しかし30年前を初診日としなければ障害厚生年金の申請ができず、母の状態は3級か障害手当金なので、障害厚生年金の申請でなければ受給することができません。
なんとか障害年金を受給させてあげたいのですが、不服申立てではどのような書類を提出すればよいでしょうか。
却下された理由が初診日不明なのであれば、初診日を合理的に推定できるような一定の書類により、本人が申し立てた日を初診日と認められる場合があります。
具体的に、次の場合には、審査の上、本人の申し立てた初診日が認められます。
- 初診日について第三者(隣人、友人、民生委員など)が証明する書類があり、他にも参考資料が提出された場合
- 初診日が一定の期間にあることを示す参考資料が提出され、保険料納付要件など一定の条件を満たしている場合
※第三者(三親等以内の親族は認められません)による確認項目は、以下の通りです。
- 発症から初診日までの症状の経過
- 初診日頃における日常生活上の支障度合い
- 医療機関の受診契機
- 医師からの療養の指示など受診時の状況
- 初診日頃の受診状況を知り得た状況 など
例えば、現在の病院を初めて受診した際に、30年前に耳鼻科に通っていたことを話していて、そのことがカルテに記載されている場合は、第三者証明となる場合があります。また、当時の同僚や友人がそのことを覚えている場合は、第三者証明となる場合があります。
ただし、お母さまの場合、初診日が特定できたとしても、障害の状態が3級以上に該当しないと受給することはできません。障害手当金に相当する場合は、すでに初診日から5年以上経過しているため受給することは困難です。
聴覚障害の認定基準
【1級】
- 両耳の聴力レベルが100デジベル以上のもの
【2級】
- 両耳の聴力レベルが90デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
【3級】
- 両耳の平均純音聴力レベル値が70デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定していないもの
【障害手当金】
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定しているもの
障害手当金とは
障害手当金は、厚生年金に加入している間に初診日のある病気やけがが初診日から5年以内に治ったもので、3級の障害よりやや程度の軽い障害が残ったときに支給される「一時金」です。
「傷病が治ったもの」とは
障害年金において「傷病が治ったもの」とは、器質的欠損もしくは変形又は機能障害を残している場合は、医学的に傷病が治った時、又は、その症状が安定し、長期にわたってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態に至った場合をいいます。
以上のことを踏まえて、不服申立てについてご検討されてはいかがでしょうか。
不服申立て(審査請求、再審査請求の総称をいいます)とは
決定に不服があるときは、その決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、文書または口頭で審査請求をすることができます。
審査請求の決定に対してさらに不服があるときは、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内に、再審査請求をすることができます。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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