障害年金の基準に達しているのなら、なぜ自動的に支給されないのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は現在30代男性会社員です。
難聴があり身体障害者手帳6級を取得しています。
手帳取得の時に、障害年金3級に相当すると言われました。
障害年金の基準に達しているのなら、なぜ自動的に支給されないのでしょうか?
障害年金は、障害の程度が基準に達しているだけでは支給されません。
障害の程度以外に、初診日要件や保険料納付要件を満たさなければなりません。
それらの必要な要件を満たし、請求手続きを行い、審査を受けて認定が得られたら年金が支給されます。
自動的に始まるものではありません。
なお、老齢年金や遺族年金も同様に、受け取る権利(受給権)ができたときに自動的に始まるものではありません。年金を受け取るためには、年金の請求手続きが必要です。
障害年金を受けるための要件は、次の通りです。
障害年金を受給するための要件
- 初診日要件…障害の原因となった病気やケガを医者か歯科医師に診てもらった日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか
- 保険料納付要件…一定以上の年金保険料を納めているかどうか。
- 障害認定日要件…厚生労働省が定めた「障害の基準」を満たしているかどうか
聴覚障害の認定基準
【1級】
- 両耳の聴力レベルが100デジベル以上のもの
【2級】
- 両耳の聴力レベルが90デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
【3級】
- 両耳の平均純音聴力レベル値が70デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定していないもの
【障害手当金】
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定しているもの
ご質問内容からは詳細がわかりかねますが、例えば、聴力に異常を感じて初めて耳鼻科を受診した日(初診日)の時点で厚生年金に加入し、一定の保険料を納めている場合は、障害厚生年金の請求が可能となり、障害の程度が3級以上に相当する場合は受給することが可能となります。
ただし、初診日の時点で国民年金に加入、もしくは20歳前の未加入期間中の場合は、障害基礎年金の請求になるため、3級相当では受給することはできません。
また、初診日の時点で一定の保険料を納めていない場合や、初診日そのものが古くて特定できない、などの場合も、認定を得ることはできません。
このように、障害年金の支給を受けるためには、障害の程度以外に、初診日要件や保険料納付要件を満たさなければなりません。
障害年金3級に相当する、というだけでは年金は支給されません。
(本回答は2021年9月現在のものです。)
障害年金の申請について
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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