感音性難聴で障害者手帳6級を取得したので、障害厚生年金が受給できるでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は3歳児検診の時に先天性感音性難聴と診断されました。
中学生くらいまで通院し、状態が安定したのでしばらく受診はしなかったのですが、23歳の時に会社の入社前健診で同じく感音性難聴と診断され、それから今の病院に移り、現在も通院しています。
現在25歳会社員で、厚生年金に加入し、先日障害者手帳6級を取得しました。
この場合、障害厚生年金が受給できるでしょうか。
また、5年分さかのぼって受給できるでしょうか。
ご質問者様の場合、3歳児検診で先天性感音性難聴と診断されているため、障害厚生年金ではなく、20歳前傷病の障害基礎年金の請求になるでしょう。
そのため、次の認定基準の1級もしくは2級に該当する場合、受給が可能となります。
しかし、障害者手帳6級の聴力レベルは障害年金3級に相当するため、障害基礎年金の請求で受給することは困難です。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
聴覚障害の認定基準
【1級】
- 両耳の聴力レベルが100デジベル以上のもの
【2級】
- 両耳の聴力レベルが90デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
【3級】
- 両耳の平均純音聴力レベル値が70デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定していないもの
【障害手当金】
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定しているもの
今後、状態が進行し、上記の認定基準の1級もしくは2級に相当する程度となった場合は、障害基礎年金の受給が可能となります。
なお、さかのぼって請求(遡及請求といいます)するためには、20歳の診断書が必要になります。
20歳の時点で、上記の認定基準の1級もしくは2級に該当する程度であればさかのぼって受給できますが、20歳の時点で受診自体していない場合は、遡及請求そのものができません。
遡及請求(さかのぼって請求すること)とは
遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。
20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日
20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日は、
- 20歳の誕生日
- 請求する傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した日
のいずれか遅い方となります。
(本回答は2022年6月現在のものです。)
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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