障害年金の審査は、食事や金銭管理等の日常生活能力の判定欄のみで審査されるものではありません。
診断書の日常生活能力の判定を重く書いてもらっても、その他の内容と整合性が取れず、認定が得られないケースもあります。
また、医師も実際の診断以上に重い状態の診断書を書いてくれと頼まれても困ってしまうでしょう。
以下でどのような状態なら注意欠如・多動症(ADHD)で障害年金を受給できるかみていきましょう。
注意欠如・多動症(ADHD)の認定基準
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
▼障害厚生年金
1級、2級、3級
障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
各等級に該当する障害の状態は以下の通りです。
|
障害年金の等級
|
障害の状態
|
|
1級
|
発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
|
|
2級
|
発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
|
|
3級
※障害厚生年金のみ
|
発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
|
就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、労働に従事していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、
- 療養状況
- 仕事の種類
- 仕事の内容
- 就労状況
- 仕事場で受けている援助の内容
- 他の従業員との意思疎通の状況
等を十分確認したうえで、日常生活能力を判断されます。
働いているからといって不支給になるとは限りません。
働いているからといって、不支給になるとは限りません。
障害年金の受給者のうち、34.06%の方々が働きながら受給しています。
| 受給者数 |
働いていない |
働いている |
働いている人の割合 |
| 2,096,000人 |
1,346,000人 |
714,000人 |
34.06% |
参照元:年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)
そして、精神の障害については、28.28%の方々が働きながら受給しています。
精神障害による
受給者数 |
働いていない |
働いている |
働いている人の割合 |
| 725,000人 |
508,000人 |
205,000人 |
28.28% |
また、働いていることを理由に支給が認められなかった方が訴訟した結果、受給が認められた判例もあります。
このように、働いているからといって受給できないわけではないことがわかります。
本事案の場合
上記の通り、就労しているからといって不支給になるとは限りません。
障害者雇用とのことですので、何らかの配慮を受けているものと拝察いたします。
きちんと仕事の内容や職場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況を明らかにして、請求されることを検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。