息子は現在厚生年金に加入しているので、障害厚生年金の申請にはならないのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
息子は自閉症と軽度知的障害の診断をされています。
現在19歳で、今年から特例子会社に勤めだしたところです。
特別支援学校の時に障害基礎年金のことを知り、20歳になったら申請を検討しているのですが、息子は現在厚生年金に加入しているので、障害厚生年金の申請にはならないのでしょうか?
息子様の場合、障害厚生年金の申請にはなりません。
20歳前傷病の障害基礎年金の申請になります。
障害厚生年金か障害基礎年金か、どちらの申請になるかについては、初診日の時点でどちらの年金制度に加入していたかによって決まります。
初診日とは、原則として初めて医療機関を受診した日ですが、例外的に知的障害と診断されている場合は、出生日が初診日になります。
そのため、初めて医療機関を受診した日が厚生年金加入期間中であっても、知的障害の場合は、障害基礎年金の申請になります。
なお、知的障害を伴わない発達障害の場合は、初めて受診した日が初診日になります。その時点で厚生年金に加入している場合は、障害厚生年金の申請になります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日(初めて病院を受診した日)に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
知的障害の認定基準
- 1級…食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
- 2級…食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
(本回答は2021年11月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
自閉症に関するその他のQ&A
- いずれ障害年金を受給するために、今の診断書を書いてもらって保管しておく方がよいのでしょうか。
- 5歳の息子が軽度の自閉症と診断され、療育手帳B2をいただきました。いずれ障害年金を受給するために、今の診断書を書いてもらって保管しておく方がよいのでしょうか。
- 発達障害の診断を受けてから1年半が経過するのですが、改めて障害基礎年金の請求ができるでしょうか。
- 私は30代後半男性です。21歳の大学生の時に統合失調症と診断され、その1年半後に障害基礎年金の請求をしたのですが、当時、学生納付猶予の手続きができておらず、請求できませんでした。35歳の時に家族の転居に伴い病院を移ったところ、発達障害(自閉症スペクトラム)と診断されました。発達障害の診断を受けてから1年半が経過するのですが、35歳の時は免除の手続きをしていたので、改めて障害基礎年金の請求ができるでしょうか。
- 障害年金の手続きをする予定ですが、精神の診断書も循環器科の先生にお願いしていいのでしょうか。
- 私の娘は、生まれつき心臓病と自閉症があります。自閉症は治るものではないので特に通院はせず、主に循環器科に通院しており、現在も経過観察のため年に1〜2回通っています。まもなく20歳になるので障害年金の手続きをする予定ですが、心臓病の診断書と精神の診断書を書いてもらってくださいと言われました。精神の診断書も循環器科の先生にお願いしていいのでしょうか。
- 障害基礎年金は本来であれば20歳からもらえるそうですが、今からさかのぼって申請すればもらえますか?
- 私の息子は現在25歳で自閉症です。最近になり障害基礎年金の対象であると聞き、申請を検討しています。本来であれば20歳からもらえるそうですが、今からさかのぼって申請すればもらえますか?
- もし今障害年金をもらったら、老後の年金はどれくらい減らされるのでしょうか。
- 私は自閉症スペクトラム障害のため、どこの会社でも仕事の覚えが悪く、人間関係もうまく構築できずに破綻してしまいます。現在30歳ですが、転職回数が20回あり、この1年はほとんど無職の状態です。医師からは、少し休んでその間は障害年金をもらえばいいよ、と言われているのですが、私の場合は障害基礎年金の申請になるので、うまく2級がもらえても毎月の収入は6万程度で、とても生活ができる金額ではありません。それなら今はもらわず、老後に多くもらう方がいいのではないかと考えています。もし今障害年金をもらったら、老後の年金はどれくらい減らされるのでしょうか。