友人は精神障害ですが普通に働いて年収もあるのに障害年金2級が打ち切られないのはなぜでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私の友人は精神障害で障害年金2級を受給しています。
しかしその方は普通に働いており年収もそこそこ貰っています。
2級は「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、
日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度」とありますが、
この方の障害年金が打ち切られないのはなぜでしょうか?
本回答は2020年1月現在のものです。
ご質問内容からは障害の状態等がわかりかねるため、
なぜ打ち切られないかについての明確な回答はいたしかねますが、
精神障害で働きながら障害年金2級を受給されている方は、実際におられます。
確かに、2級の基本の状態は、
- 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度
となっていますが、飽くまでも障害の状態の一般的な程度を示すものであり、
障害の程度は、その原因、諸症状、治療及びその病状の経過、
具体的な日常生活状況等の生活上の困難を判断し、総合的に認定されます。
例えば、精神の障害のひとつである、てんかんの認定に当たっては、
意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無や発作頻度に加え、
発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、
そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、
社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。
各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。
てんかんの認定基準
【1級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの
(注)発作のタイプは以下の通りです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
また精神障害で就労している場合、日常生活能力について以下のように判断されます。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、
その療養状況を考慮するとともに、
仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、
他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
精神の障害は、てんかんの他に統合失調症や知的障害、発達障害などがあり、
それらの症状は同一原因であっても多様です。
たとえば、統合失調症は、
罹患後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあります。
また、発達障害や知的障害の方の中には、他人とのコミュニケーションは苦手でも、
同じ仕事をやり続けることができる方もおられます。
しかしそれらは障害の特徴のひとつであるため、
障害の程度が認定基準に該当する程度であれば、働きながらでも障害年金を受給することができます。
障害といっても精神障害や内部障害の場合は、外部から目で見てその状態がわかるものではありません。
ご友人の方も、障害の状態が認定基準に該当しているのではないでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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