クローン病で障害年金がもらえなくても手続きはするべきでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私はクローン病により正社員をやめ、障害者雇用で現在の職場に勤めています。
体調は安定していますが、給料がだいぶ下がってしまい、今後の生活が不安です。
障害年金の手続きについて説明を受けたのですが、
クローン病では障害年金がもらえるかわからないから、
診断書代が無駄になることもあると言われ、手続きを中断しています。
障害年金がもらえなくても手続きはするべきでしょうか?
本回答は2019年9月現在のものです。
クローン病に限らず、障害年金は、病名により認定の可否が決定されるものではありません。
障害の状態が審査され、障害の状態が障害等級に該当すると認定された場合に、受給することができます。
このことはクローン病に限らず、すべての傷病が同様の扱いとなっています。
障害年金がもらえるか否かの結果については、請求しなければ出ません。
不支給となった場合は、結果として診断書代が無駄になったと思うかもしれませんが、
請求しないと障害年金の認定は得られません。
請求ができるのであれば、手続きをすることをご検討されてはいかがでしょうか。
クローン病は、障害年金の支給対象となっています。
下記の要件を満たし、障害の状態が認定基準に該当する場合は、
認定を得ることができます。
「初診日要件」とは
初診日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか、
その加入していた制度によって、もらえる年金の種類が決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
※初診日とは…障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
「障害認定日要件」とは
障害認定日において、一定以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。
※障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
難病の認定について
クローン病などの難病については、その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、
発病は緩徐であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっているため、
客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分に考慮して、
総合的に認定されます。
クローン病の2級、3級に該当する一般状態
【2級】
次のいずれかに該当するもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
【3級】
次のいずれかに該当するもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
先にも述べたように、障害年金は請求をしないと認定が得られるかはわかりません。
しかし、請求をしないと認定を得ることはできません。
請求手続きには診断書代がかかりますが、
認定が得られた場合は、それ以上の年金額を受けることができます。
上記の要件を満たしているのであれば、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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