筋ジストロフィーで障害年金をもらえますか。

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筋ジストロフィーで障害年金をもらえますか。

中井智博
中井智博社会保険労務士
  • 詳しいプロフィール
公開日:

筋ジストロフィーと診断されています。

進行性の病気で治らないと言われています。

障害年金をもらえますか。

筋ジストロフィーは、障害年金の認定の対象とされているので基準を満たせば受給できます。

障害年金の受給額は以下の通りです。

67歳以下の方(S31.4.2以後生まれ)の年金額です。

▼障害基礎年金
1級 1,039,625円
+子の加算額
2級 831,700円
+子の加算額
▼障害厚生年金
1級 障害基礎年金1級(1,039,625円 + 子の加算額)
+報酬比例の年金額×1.25
+配偶者の加給年金額
2級 障害基礎年金2級(831,700円 + 子の加算額)
+報酬比例の年金額
+配偶者の加給年金額
3級 報酬比例の年金額
※最低でも623,800円が保証されます
障害手当金 報酬比例の年金額×2
※最低でも1,247,600円が保証されます

※報酬比例の年金額は、加入年数や給料の額などが反映されます。

▼子の加算額
2人まで 1人につき239,300円
3人目以降 1人につき79,800円

※生計を維持されている子がいる時に加算されます。

なお、生計を維持されている子とは、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。

▼配偶者の加給年金額
239,300円

※生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる時に加算されます。

障害年金だけでは悠々自適な生活はできませんが、受給できれば、日常生活に大きな助けとなるでしょう。

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

以下で詳しくみていきましょう。

障害年金の種類

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

種類 対象となる人
障害基礎年金 「初診日」に国民年金に加入していた人
障害厚生年金 「初診日」が厚生年金保険加入中にある人

※「初診日」とは、「病気やけがについて初めて医師の診療を受けた日」を指します

自営業者、フリーランス、専業主婦、無職の方は、障害基礎年金の対象となります。

障害の状態の前に、請求の条件を確認しましょう

障害年金を請求するためには以下の要件を満たしていることが前提となります。

このふたつの要件を満たしていれば、障害年金を請求することができ、障害の状態が基準に該当しているかどうか、審査を受けることができます。

審査の結果、基準に該当すると判断されれば、障害年金を受給することができます。

では、どのような状態なら障害年金を受給できるか、みていきましょう。

どのような状態なら障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

▼障害厚生年金
1級、2級、3級

障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。

障害年金の等級 障害の状態
3級
※障害厚生年金のみ
労働に著しい制限があるもの
2級 日常生活に著しい制限があるもの
1級 他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの
筋ジストロフィーによる「肢体の障害」で審査されること

障害年金においては上記の等級に該当するかどうかを、「日常生活における動作」を中心に審査され、具体的には以下に該当するかどうかを判断されます。

障害の程度

障害の状態

1級

1. 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの

2. 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2級

1. 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2. 四肢に機能障害を残すもの

3級

一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

※上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定されます。

  • 一上肢とは…右か左の腕
  • 一下肢とは…右か左の足
  • 四肢とは…両腕両足
  • 「用を全く廃したもの」とは…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。
  • 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。
  • 「機能障害を残すもの」とは…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。

具体的にどのような項目を審査されるのか、以下で確認しましょう。

「日常生活における動作」の評価項目

日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができませんが、おおむね次のとおりです。

 ア.手指の機能

 (ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)

 (イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)

 (ウ)タオルを絞る(水をきれる程度)

 (エ)ひもを結ぶ

 イ.上肢の機能

 (ア)さじで食事をする

 (イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)

 (ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)

 (エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)

 (オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)

 (カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

 ウ.下肢の機能

 (ア)片足で立つ

 (イ)歩く(屋内)

 (ウ)歩く(屋外)

 (エ)立ち上がる

 (オ)階段を上る

 (カ)階段を下りる

※補助用具を使わないでどの程度の状態なのかを判断されます。

肢体の機能の障害の総合的な認定について

肢体の障害については上記「日常生活における動作」だけでなく、以下も考慮され、総合的に認定されます。

  • 関節可動域
  • 筋力
  • 巧緻性
  • 速さ
  • 耐久性

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、以下を考慮され、総合的に認定されます。

  • 筋力
  • 巧緻性
  • 速さ
  • 耐久性

他動可動域…関節の可動域について、検査者が腕や足を持って動かそうとします。それで動く範囲が可動域となります。

関節を誰かが押したり引いたりしても動かなくなる傷病なら、他動可動域で障害の状態を判断するのが適切です。

しかし、筋ジストロフィーのような、脳からの運動信号がうまく伝達しないため思うように動かせないような傷病を想像してください。

こういった傷病は誰かが関節を押したり引いたりしたらちゃんと動きます。

他動可動域のみで判断すると、「障害ではない」になります。

しかし、実際は以下のような状態です。

  • 靴下を履くだけで15分かかる(速さ)
  • うまく食べ物を口に運べない(巧緻性)
  • 歩けるけどゆっくりと10メートルだけ(速さと耐久性)

こうした方も「他動可動域が正常だから障害ではない」ではなく、違う角度から審査して障害の状態を見極める必要がある、実際の日常生活における実用性もきちんと判断材料にしましょう、という趣旨です。

それでは手続きの流れを確認しましょう。

障害年金の請求手続きの流れ

「障害年金を請求しよう!」と思ってから請求までの大まかな流れは以下の通りとなります。

  1. 初診日はいつだったかを確認する
  2. 保険料納付要件を満たしているかを確認する
  3. 初診日を証明する
  4. 医師に診断書を書いていただく
  5. 病歴・就労状況等申立書を作成する
  6. その他の必要な書類を添付する
  7. 年金請求書とともに揃えた書類を提出する

以下では弊事務所でサポートした筋ジストロフィーの受給事例を紹介いたします。

ご参考いただき「自分ももらえるのではないか」という可能性を考えてみましょう。

筋ジストロフィーでの受給事例

事例1 病名:筋強直性ジストロフィー(障害年金1級の認定を得られた事例)

この方は、5年ほど前に筋力が落ちていることに気づき近医を受診、すぐに大きな病院を紹介され、筋強直性ジストロフィーと診断されました。

徐々に筋力の低下が進行し、就労が困難となったことから障害年金の請求を検討されました。

ご家族が障害年金1級を希望され、弊所にお見えになりました。

傷病名

筋強直性ジストロフィー

障害の状態

四肢筋力低下。立ち上がりも困難。

就労状況

就労していない。

身体障害者手帳の等級

身体障害者手帳1級

労働能力及び日常生活能力

立ち上がりが不能。仕事内容が限定される。

予後

進行性の疾患である。

認定が得られた障害年金の等級

障害基礎年金1級(年額約103万円)

本事例のポイント

ご家族が障害年金1級を希望していました。

障害年金1級について

障害年金1級は、「他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの」とされており、非常に重度なものとなっております。

そのため、狙って1級が得られるというものではありません。

特に初回面談時はご家族がお見えになり、ご本人とお会いすることはできませんでした。

そこで、立ち上がることもままならない状態とのことですので、ご自宅にうかがい、お会いさせていただきました。

請求サポートさせていただき、無事支給となりました。

実際にお会いさせていただいた際は、ちょうど食事の介助を受けている最中でした。

ご様子を目の当たりにし、この状態であれば1級の認定が得られる可能性が考えられると判断しました。

結果、無事に障害基礎年金1級を得ることができ、ご家族もご本人様も非常に安堵しておられました。

事例2 病名:筋強直ジストロフィー(初診日の特定が困難であった事例)

この方は、周りから歩き方がおかしいと言われ、近くの整形外科を受診しましたが、特に異常はないと言われました。

別の整形外科を受診したところ、神経内科の疾患を疑われ、大学病院を紹介され、遺伝子検査を受けたところ、筋強直性ジストロフィーと診断されました。

初診からまもなく1年6カ月が経過することから障害年金の請求を検討されましたが、整形外科をいくつか受診しているため初診日がわからず、手続きに不安を感じ、弊所にご相談に来られました。

傷病名

筋強直ジストロフィー

障害の状態

筋力低下、ミオトニア、腱反射低下、胸鎖乳突筋の萎縮を認めた。

就労状況

正社員(年収約450万円)

身体障害者手帳の等級

身体障害者手帳4級

労働能力及び日常生活能力

筋力低下により日常生活に著しい制限あり、労働能力にかなり制限あり。

予後

症状は進行性。

認定が得られた障害年金の等級

障害厚生年金2級(年額約110万円)

本事例のポイント

最初に複数の整形外科を受診、初診日の特定が困難でした。

「初診日の証明」が何より重要!

受診状況等証明書

初診日の証明書(受診状況等証明書といいます)は、原則として、カルテに基づいて作成していただきます。カルテの保存期間は法律上5年間ですので、初診日に受診した医療機関にいかなくなってから5年以上経っている場合はカルテが破棄されていることがあります。

医療機関によっては5年より長い保存時間を定めているところもありますので、まずは連絡して確認しましょう。

初診日を確定できないと、

  • 障害基礎年金の請求か、障害厚生年金の請求か。
  • 保険料納付要件を満たしているか。
  • 障害認定日はいつか。

を決めることができません。

これは、どんなに現在の障害の状態が重くても、障害年金の請求手続きすべてが止まってしまうことを意味します。

自分ひとりでは初診日が分からない、確定できないという方はご相談ください。

初診日の確定のために探偵のようになります。

請求サポートさせていただき、無事支給となりました。

本事案では当初は異常なしと診断されていましたが、途中で神経内科の疾患を疑われているため、当該医療機関が初診日になる可能性があると判断しました。

障害の状態は、杖なしでは歩行が困難で、階段昇降はほとんど不可能、まっすぐ立って姿勢を維持することが困難な状態でしたので、この状態は、明らかに障害年金2級に該当すると判断し、障害年金の請求を行いました。

無事に弊所で主張した初診日が認められ、障害厚生年金2級を得ることができ、非常に安堵いたしました。

それでは、障害年金の審査について詳しくみていきましょう。

障害年金の審査について

障害年金の審査に、面接はありません。

すべて書類で審査されます。

そのため、書類だけで「日常生活にどのような制限を受けているのか」「働いているならどんな風に働いているのか」を審査機関に分かるように作成しなければなりません。

本当は障害年金を受給できる状態なのに、書類が不十分だからといって不支給になるのは残念なことです。

障害の状態の審査には、主に「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」が使用されます。

診断書について

診断書:肢体の障害用 診断書:肢体の障害用2

障害年金を請求するための診断書は、治療のための医学的な診断書ではなく、生活に必要な所得保障のための社会医学的な診断書です。

そのため、病気やけがなどによって日常生活にどれくらい影響を及ぼしているかがわかるように作成いただくことが大切です。

自分一人でお医者様に伝えることが難しい場合は、お医者様に伝えるべきポイントを整理するようサポート致しますのでお問い合わせください。

病歴・就労状況等申立書について

病歴・就労状況等申立書 病歴・就労状況等申立書2

これは、「発病から現在までの病状・治療の流れ」「日常生活の様子」を記述し、あなたの症状や生活状況が、障害年金の基準を満たすことを申し立てるものです。

適切な「病歴・就労状況等申立書」を作るために必要なことは以下の2点です。

  1. 自分自身の状況を客観的に把握すること
  2. 把握した内容を、審査機関に伝わるようにわかりやすく記述すること

ただでさえ障害を抱えて大変な状況なのに、時間と精神的・体力的な負担がかかる作業になるおそれがあります。

私にご相談いただければ、代筆いたします。

障害年金を受給するために

障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。

当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。

最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

お気軽にお問合せください。

障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。

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