生体腎移植で障害年金は打ち切られました。不服申立てをして再開することはできますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は人工透析のため障害年金を受給していたのですが、
2年前に生体腎移植を受けたところ、今年の更新で年金が打ち切られることになりました。
移植はしましたが、急に健常者と同じように仕事ができるわけではないですし、
薬も一生飲み続けなければならないため、突然の打ち切りには納得できません。
不服申立てをして受給を再開することはできますか?
本回答は2019年8月現在のものです。
障害年金を受給されている方が腎移植を受けた場合
障害年金を受給されている方が腎移植を受けた場合は、臓器が生着し、
安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とされます。
その後は、術後の症状や治療経過、
検査成績および予後等を十分に考慮して総合的に認定されます。
ご質問者様の場合、2年前に生体腎移植を受けたとのことですので、
更新の時点では、治療経過や検査成績によって審査されたことが拝察されます。
ご質問内容からは、検査成績等がわかりかねますので、
不服申立てにより決定が覆る可能性があるか否かについては、判断いたしかねますが、
以下の認定基準をご参照いただき、等級に該当すると考えられる場合は、
不服申立てをされてはいかがでしょうか。
なお、不服申立てにより決定が覆らなかったとしても、
今後状態が悪化し、下記の認定基準に該当する程度となった場合は、
支給停止事由消滅届を提出することにより、支給の再開を求めることができます。
新たに障害の状態を記載した診断書により、現在の状態について審査を受け、
等級に該当すると判断された場合、支給が再開されます。
腎疾患の認定基準
【1級】
- 以下1〜2を満たすもの
- 内因性クレアチニンクリアランスが10ml/分未満または、血清クレアチニンが8mg/dl以上
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
- 以下1〜2を満たすもの
- 内因性クレアチニンクリアランスが10ml/分以上20ml/分未満または、血清クレアチニンが5mg/dl以上8mg/dl未満
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
- 人工透析療法施行中のもの
【3級】
- 以下1〜2を満たすもの
- 内因性クレアチニンクリアランスが20ml/分以上30ml/分未満または、血清クレアチニンが3mg/dl以上5mg/dl未満
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
- 以下1〜3を満たすもの
- 尿蛋白量が3.5以上を持続する
- 血清アルブミンが3.0g/dl以下または血清総蛋白が6.0g/dl以下
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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