子供の頃に広汎性発達障害と診断されていることで、障害年金の初診日が変わってしまうでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は子供の頃から広汎性発達障害で、高校生の時に母に勧められて療育手帳を取得しました。
しかし大学にも行き、一般雇用で就職もして、特に困ることもなかったので手帳を使うこともなかったですし、病院に行くこともありませんでした。
ところが1年前に今の職場に異動になり、新しい仕事や人間関係のストレスから欠勤するようになり、初めて精神科を受診し適応障害と診断されました。
今の診断名は双極性障害に変わっています。
休職状態が続いて収入もないので、障害年金を申請しようと思うのですが、1年前に初めて精神科を受診した時が初診日でいいのでしょうか?
それとも子供の頃に広汎性発達障害と診断されていることで、初診日が変わってしまうでしょうか?
本回答は2021年3月現在のものです。
ご質問者様の場合、初診日は、子供の頃に広汎性発達障害のために初めて受診した日になる可能性が考えられます。
発達障害と診断された後から適応障害や双極性障害が発症した場合、それらは、発達障害が起因して発症したという考え方が一般的であることから、「同一疾病」として扱われます。
つまり、双極性障害の初診日は、広汎性発達障害の初診日と同じ日になります。
初診日が20歳より前にある場合は、20歳前傷病の障害基礎年金の請求になり、障害の状態が2級以上に該当すると判断された場合、受給できます。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
双極性障害の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
初診日から何年も経過し、初診日の特定が難しいかもしれませんが、障害年金の申請には初診日の特定は必須です。
初診日を特定し、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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