聴覚障害です。障害年金は、働きながらでも受給できるのですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は現在61歳です。幼少期から聴力は弱かったのですが、
身体障害者手帳4級の認定を受けたのは30歳の時です。
現在は契約社員として勤務していますが、貯蓄もなく、退職金もなく、
退職後はわずかな年金のみです。
手帳は4級ですが、補聴器がなければ耳元で大声で話されても聞き取れないくらいです。
障害年金は、働きながらでも受給できるのですか?
本回答は2019年9月現在のものです。
障害年金は、働きながらでも受給できる場合があります。
特に聴力や視力、肢体の障害の場合は、就労状況については審査の対象とされません。
ご質問内容からは、初診日が分かりかねますが、
20歳前であれば、20歳前傷病の障害基礎年金の請求になります。
なお、初診日が身体障害者手帳の認定を受けた30歳時の厚生年金加入期間中であれば、
障害厚生年金の請求になります。
障害基礎年金の請求では、障害の状態が2級以上の場合に、
障害厚生年金の請求では、3級以上に認定された場合、支給されます。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
聴覚障害の認定基準
【1級】
- 両耳の聴力レベルが100デジベル以上のもの
【2級】
- 両耳の聴力レベルが90デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
【3級】
- 両耳の平均純音聴力レベル値が70デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定していないもの
ご質問者様の場合、身体障害者手帳4級の認定を受けているとのことですので、
- 両耳の聴力レベルがそれぞれ80デシベル以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
- 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下のもの
のいずれかの状態であることが拝察されます。
上記の認定基準に当てはめると、2級もしくは3級に該当する可能性が考えられます。
初診日が数十年前になることが拝察されるため、
特定することが困難な場合がありますが、
初診日を特定し、障害年金の申請をご検討されてはいかがでしょうか。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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