正社員で働きながらでは、障害年金はもらえないのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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父は35歳くらいの時から糖尿病と診断されており、
現在は糖尿病性網膜症のため、右目失明、左はボンヤリ見える程度のようです。
以前役所に障害年金の相談に行ったところ、働いていては受給できないと言われました。
父は18歳の時から現在まで厚生年金を払っています。
正社員で働きながらでは、障害年金はもらえないのでしょうか?
また人工透析を受けるようになると、必ずもらえるようになるのでしょうか?
本回答は2019年1月現在のものです。
障害年金は、必ずしも働いていては受給できないということはありません。
正社員で働きながらでも、もらえることがあります。
ご質問内容から視力障害があることが拝察されるため、
障害の程度については、以下の認定基準により審査されます。
視力障害の認定基準について
- 1級…両眼の視力の和が0.04以下のもの
- 2級…両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
- 3級…両眼の視力が0.1以下に減じたもの、または、障害手当金の程度であり症状固定していないもの
- 障害手当金…両眼の視力が0.6以下に減じたもの、または、一眼の視力が0.1以下に減じたもの
上記の認定基準には、就労状況について記載されていませんので、
視力が認定基準に該当すれば、正社員で働きながらでも受給することができます。
また人工透析療法施行中のものについても、原則として2級と認定されるため、
正社員で働きながらでも受給することができます。
ただし障害年金は、障害の程度が認定基準に該当すれば必ずもらえるというものではありません。
障害の程度以外に、以下の要件を満たす必要があります。
「初診日要件」
初診日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか、
その加入していた制度によって、もらえる年金の種類が決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
※初診日とは…障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
「保険料納付要件」
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
糖尿病など長期にわたる疾患の場合、初診日を特定することが困難なことがあります。
カルテがないなどで初診日の特定ができない場合は、
申請そのものができないこともあります。
まずは上記の要件についてご確認のうえで、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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