心療内科でも障害年金の書類が書けるところと書けないところがあるのは何故でしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は約10年心療内科に通っていました。そこは内科・心療内科のクリニックです。
最近特にうつの症状が辛く、障害年金があることを知り、
診断書について主治医に尋ねたところ、
「うちでは必要書類を書けないので紹介状を書きます」と言われました。
心療内科でも書類が書けるところと書けないところがあるのは何故でしょうか?
また、病院を変えたとなると初診日はその病院を受診した日になるのでしょうか?
そうなると申請までに1年半かかってしまうのでしょうか。
本回答は2019年9月現在のものです。
精神の障害用診断書を書くことができる医師について
精神の障害用診断書は、
精神保健指定医又は精神科を標ぼうする医師が作成できることとされています。
※なお、てんかん、知的障害、発達障害、認知症及び高次脳機能障害等、診療科が多岐に分かれている疾患については、小児科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、老年科等を専門とする医師が主治医となっている場合、これらの科の医師であっても、精神・神経障害の診断又は治療に従事している医師であれば、作成できることとなっております。
したがって、心療内科の医師であっても、
精神保健指定医または精神科を標榜する医師ではない場合は、
うつ病等、精神の障害用の診断書を作成することはできません。
また、心療内科であっても精神保健指定であれば、うつ病等、精神の障害用の診断書を作成ができます。
ご質問内容から、
精神保健指定医または精神科を標榜する医師ではないことが拝察されます。
そのため別の病院を勧められたことが考えられます。
病院を変えても、初診日は請求傷病についてを初めて受診した日になります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
ご質問者様の場合、初診日から10年が経過し、
障害認定日は経過していることが拝察されるため、
すぐにでも事後重症請求をすることが可能です。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
事後重症請求とは
傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において
障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、
その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、
65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。
これを事後重症請求といいます。
新しい病院ですぐに診断書を作成いただけるかについては判断しかねますが、
新しい病院でも、日常生活状況等をしっかり伝え、
診断書を作成していただきましょう。
なお、うつ病の認定基準は、以下の通りです。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
働きながらに関するその他のQ&A
- 母を扶養に入れると、世帯収入が増えたとみなされて妻の障害年金が減ることはあるのでしょうか?
- 私の妻は、現在障害年金3級を受給しており、私の社会保険の扶養に入っています。今度、私の母を扶養に入れる予定ですが、母は老齢年金を年100万円ほど受給しており、そのことで世帯収入が増えたとみなされて妻の障害年金が減ることはあるのでしょうか?
- ここ何年も年金を免除してもらっていますが、障害年金を受給することはできるのでしょうか?
- 私は5年前からパニック障害で心療内科に通院をしていますが、うつ病へと進行し、現在も治療を継続しています。生活のためパートやアルバイトをしていますが、長続きせず、転々としています。最近障害年金について知り、もし障害年金を受給できるなら、ゆっくり治療に励みたいと考えています。しかし私はここ何年も年金を免除してもらっています。このような状況で障害年金を受給することはできるのでしょうか?
- 世帯収入が十分にある場合、障害年金の受給資格はなくなってしまうのでしょうか?
- 28歳の妹がうつ病のため仕事ができない状態となっています。きっかけは上司や同僚から強い叱責を受けたことで、はじめの頃は通院しながら仕事を続けていたのですが、休職となり、そのまま復帰できず退職となりました。今はアルバイトもできない状態で、実家に引きこもっています。医師から障害年金のことを教えてもらい申請を検討していますが、実家では両親ともまだ現役で働き、私も正社員で働いているので、世帯収入は十分あります。同世帯である妹は、障害年金の受給資格はなくなってしまうのでしょうか?
- 幻聴の症状があり疲労のため仕事はできません。障害年金は認定されますでしょうか?
- 私は現在55歳で、5年前から幻聴の症状があります。起きている時も睡眠中もあって目を覚ます状態なので、疲労はこの上なく、仕事はできません。薬を飲んでも体がだるくなるだけで効きません。なので精神科には行ってません。この状態で障害年金は認定されますでしょうか?
- 障害年金の申請には、主治医の許可がいるのですか?
- 今から2年ほど前に、心臓疾患があることがわかりました。当時はフルタイムで働いていましたが、治療のため1日3時間程度の軽いパートに変わりました。障害年金の申請をしたいので役所に聞いてみたところ、一度主治医に許可をもらってから用紙を取りに来てくださいと言われました。障害年金の申請には、主治医の許可がいるのですか?