てんかんで精神障害手帳1級。障害厚生年金でも1級が認定されるものでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は現在37歳の会社員です。
就職してから、てんかんを発症し精神障害手帳1級に認定されています。
最近障害厚生年金の事を知ったのですが、
障害厚生年金でも1級が認定されるものでしょうか。
なお、会社にはてんかんで障害があることは報告していません。
やはり、会社に報告しないとだめですか?
本回答は2017年9月現在のものです。
精神保健福祉手帳と障害年金について
精神保健福祉手帳と障害年金は、
根拠法も審査機関も認定基準も異なる全く別の制度であり、
両者の等級は連動するものではありませんので、
精神保健福祉手帳の等級がそのまま障害年金の等級となるわけではありません。
手帳の等級が1級であっても、障害年金の1級が得られるわけではありません。
また、手帳を取得していない場合でも障害年金の受給権が得られる場合もあります。
障害年金において、てんかんの認定基準は以下の通りです。
てんかんの認定に当たって
発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や
発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、
日常生活動作がどの程度損なわれ、
そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、
社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。
てんかんの認定基準
【1級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの
(注)発作のタイプは以下の通りです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
障害年金の請求にあたって、就労している場合は、
以下のように判断されます。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、
その療養状況を考慮するとともに、
仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、
他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで
日常生活能力を判断されます。
なお、てんかんの障害があることを会社に報告する義務については、
業務上の必要性や会社ごとの定め等、
会社や業種等によっての報告の必要性が異なりますので、
当方ではお答えいたしかねます。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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