正社員でそれなりに収入があると障害年金がもらえないのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は小学生の頃から発達障害のADHDでしたが、最近になって精神保健福祉手帳3級を取得しました。
今は25歳で障害のことはクローズにして働いています。
障害年金の申請を考えているのですが、正社員でそれなりに収入があると障害年金がもらえないのでしょうか?
障害年金は収入があるともらえない、ということはありません。
働きながら受給している方はたくさんおられます。
ただし、発達障害などの精神の障害の方が働いている場合、就労状況や仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などについても併せて考慮されます。
障害があることに対して会社から援助や配慮を受けている場合は、認定が得られる場合がありますが、そのような援助を受けることなく他の従業員と同様に問題なく働くことができ、労働能力、日常生活能力に制限がないと判断された場合は認定を得られないでしょう。
特に、ご質問者様のように、小学生の頃から発達障害の診断を受けている場合は、「20歳前傷病の障害基礎年金」の請求になるため、障害の状態が1級もしくは2級に該当しなければ障害年金はもらえません。
正社員でそれなりに収入があるということの一事をもって判断されるものではありませんが、日常生活能力に制限がないと判断された場合は、認定を得ることは難しいでしょう。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
<認定基準>
- 1級…他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの
- 2級…日常生活に著しい制限があるもの
発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
ご質問者様も、発達障害のため対人関係などに問題があり、労働や日常生活に著しい制限を受けている場合は、障害基礎年金が受給できる可能性が考えられます。
これらを参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
なお、障害年金は原則として所得制限はありませんが、例外的に「20歳前傷病の障害基礎年金」を受給されている方には所得制限が設けられています。
20歳前傷病の障害基礎年金の所得制限
扶養親族がいない場合、前年の所得額が
- 4,621,000円を超えると全額支給停止
- 3,604,000円を超えると年金額の2分の1が支給停止
なお、世帯人数が増加した場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。
※対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算となります。
(支給停止となる期間は、8月から翌年7月までとなります。)
(本回答は2021年7月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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