まず、精神障害で就労している場合の障害年金の取扱いを確認し、次にどのような状態ならADHDで障害年金を受給できるかを確認しましょう。
精神障害で就労している場合の障害年金の取扱い
就労支援施設や小規模作業所などに参加する方に限らず、雇用契約により一般就労をしている方であっても、援助や配慮のもとで労働に従事しています。
したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している方については、
- 療養状況…通院の状況や在宅での療養の状況等
- 仕事の種類、内容…その仕事を一般の人と同じ条件でこなせているか、病気のために特別な配慮や制限が必要な状態か
- 就労状況…出勤状況への影響はないか
- 仕事場で受けている援助の内容…職場が病気に合わせて、どれだけ手加減やサポートをしてくれているか
- 他の従業員との意思疎通の状況…臨機応変な対応や意思疎通に困難な状況が見られないか
等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
一般企業で就労している場合
障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討されます。
では、どのような状態ならADHDで障害年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態ならADHDで障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
▼障害厚生年金
1級、2級、3級
障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。
| 障害年金の等級 |
障害の状態 |
3級 ※障害厚生年金のみ |
労働に著しい制限があるもの |
| 2級 |
日常生活に著しい制限があるもの |
| 1級 |
他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの |
本事案の場合
「私は小学生の頃から発達障害のADHDでした」とのことですので、20歳前傷病の障害基礎年金の請求となるでしょう。
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20歳前傷病の障害基礎年金とは…
先天性の病気などにより初診日が20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が1級または2級に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
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そのため、上記2級以上に該当すれば障害年金を受給することができます。
障害年金は収入があると受給できないの?
働いているからといって、不支給になるとは限りません。
障害年金の受給者のうち、34.06%の方々が働きながら受給しています。
| 受給者数 |
働いていない |
働いている |
働いている人の割合 |
| 2,096,000人 |
1,346,000人 |
714,000人 |
34.06% |
参照元:年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)
そして、精神の障害については、28.28%の方々が働きながら受給しています。
精神障害による
受給者数 |
働いていない |
働いている |
働いている人の割合 |
| 725,000人 |
508,000人 |
205,000人 |
28.28% |
また、働いていることを理由に支給が認められなかった方が訴訟した結果、受給が認められた判例もあります。
このように、働いているからといって受給できないわけではないことがわかります。
働きながら障害年金を受給している方はたくさんおられます。
障害年金の請求を前向きにご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。