アスペルガー症候群は2級じゃないと障害年金は無理なのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は28歳の正社員で働いていたころから、
うつ病とアスペルガー症候群の診断を受けています。
最近うつの症状がひどくなり、会社を休むことが多くなったので、
障害厚生年金の請求をしようと主治医に診断書の作成をお願いしたところ、
あなたは3級でギリギリのところだけど、
アスペルガー症候群は幼少からのものだから2級じゃないと無理じゃないかと言われました。
アスペルガー症候群は2級じゃないと無理なのでしょうか?
本回答は2019年9月現在のものです。
アスペルガー症候群は2級じゃないと無理、ということはありません。
アスペルガー症候群などの発達障害で3級を受けている方はたくさんおられます。
障害基礎年金の等級は、1級および2級のみのため、
障害基礎年金の請求で、障害の状態が3級相当では、認定を得ることはできません。
一方、障害厚生年金の等級は、1級、2級および3級があります。
障害厚生年金の請求で、障害の状態が3級以上に相当すれば、
障害厚生年金が支給されます。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
アスペルガー症候群などの発達障害は、通常低年齢で発症する疾患ですが、
知的障害を伴わない方が発達障害により、
初めて受診した日が20歳以降であった場合は、その受診日を初診日とされます。
ご質問者様の場合、28歳の正社員で働いていたころは厚生年金加入中であり、
その時に初診日がある場合は、障害厚生年金の請求になります。
障害の状態が3級以上に該当する場合、認定を得ることができます。
なお、等級の判断は、主治医が行うのではなく保険者が行います。
主治医が3級相当と思っていても、2級が認定されることもあります。
ご質問内容からは、具体的な障害の状態がわかりかねますが、
下記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
発達障害の認定について
発達障害については、
たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により
対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために
日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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