20歳前障害から通常の障害年金に移行することはできるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は小学生のころから視覚障害があり、22歳くらいから障害年金を受給しています。
20歳前障害の場合は所得制限があるが、通常の障害年金にはないと聞きました。
私の場合、父が手続きをしてくれたので詳細がわからないのですが、20歳前障害に該当するということなのでしょうか?
もしそうなら、所得制限のかからない通常の障害年金に移行することはできないのでしょうか?
本回答は2020年4月現在のものです。
20歳前傷病に該当するかについては、初診日によって決まります。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
ご質問者様の場合、小学生のころから視覚障害があるとのことですが、小学生のころから眼科に通い、現在の視覚障害につながっている場合は、20歳前傷病の障害基礎年金を受給していることが考えられます。
しかし、小学生のころから視覚障害があっても、眼科には通わなかった、もしくは眼科に通っていたが、現在の視覚障害とは因果関係がなく、20歳を過ぎてから初めて受診したようなケースでは、20歳前傷病とはならず、通常の障害年金を受給していることが考えられます。
どちらの障害年金が支給されているかについては、年金事務所で確認しましょう。
なお、20歳前傷病の障害基礎年金の所得制限は、以下の通りです。
20歳前傷病の障害基礎年金の所得制限
扶養親族がいない場合、
- 所得額4,621,000円を超えると全額支給停止
- 所得額3,604,000円を超えると年金額の2分の1が支給停止
なお、世帯人数が増加した場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。
※対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算となります。
また、20歳前傷病の障害基礎年金から通常の障害基礎年金に移行することはできません。
支給される年金の種類は、初診日によって決定するため、支給決定後に変更することはできません。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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