多系統小脳委縮症で障害年金をもらうことはできるのでしょうか?

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多系統小脳委縮症で障害年金をもらうことはできるのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
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公開日:

私の父は58歳ですが、進行性の難病である多系統小脳委縮症のため、

半年前から傷病手当金をもらって休職しています。

この病気は進行が早く、いずれは寝たきりになるともいわれているため、

父は、まだ動けるうちにやりたいことをやると言っています。

今、会社を退職したら、傷病手当金は支給されなくなるのですか?

もしそうなら、障害年金をもらうことはできるのでしょうか?

また、老齢年金と障害年金は一緒にもらえるのでしょうか?

本回答は2017年7月時点のものです。

 

傷病手当金の継続給付について

被保険者の資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人は、

資格を喪失した際に現に受けていた傷病手当金を引き続き受けることができます。

傷病手当金は1年6か月間の範囲内で、支給を受けることができることになっていますが、

この期間から、被保険者である間にすでに支給を受けた

残りの期間について受けることができます。

 

ご質問内容に、半年前から傷病手当金をもらって休職している、とありますので、

現時点で会社を退職しても、残りの1年間、引き続き傷病手当金を受けることができます。

(資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった場合)

 

障害年金については、傷病手当金とは連動していませんので、

障害認定日の到来を待って申請をすることとなります。

 

障害認定日とは

障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、

  • 初診日から起算して1年6月を経過した日
  • 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)

のいずれか早い日となります。

 

障害認定日の時点で、障害等級に該当すると判断された場合は、

障害年金を受給することが可能となります。

 

多系統萎縮症の主な症状としては、起立歩行のふらつきなどの肢体の機能の障害や、

言語機能の障害、嚥下障害などがあります。

それぞれの認定基準は、以下の通りです。

 

肢体の障害の認定基準

【1級】

  • 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
  • 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの

【2級】

  • 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
  • 四肢に機能障害を残すもの

【3級】

  • 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

 

平衡機能の障害の認定基準

【2級】

  • 閉眼で起立・立位保持が不能又は開眼で直線を歩行中に10メートル以内に転倒あるいは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のもの

【3級】

  • 閉眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を10メートル歩いたとき、多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通す程度のもので、労働能力が明らかに半減しているもの
  • めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らかな異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもので、症状の固定していないもの

 

音声又は言語機能の障害の認定基準

【2級】

  • 発音にかかわる機能を喪失するか、話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方がほとんどできないため、日常会話が誰とも成立しないもの

【3級】

  • 話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に多くの制限があるため、日常会話が、互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つもの

 

そしゃく・嚥下機能障害の認定基準

【2級】そしゃくの機能を欠くもの。具体的には次の通りです。

  • 流動食以外は摂取できないもの
  • 経口的に食物を摂取することができないもの
  • 経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの(食餌が口からこぼれ出るため常に手、器物等でそれを防がなければならないもの、または、一日の大半を食事に費やさなければならない程度のもの)

【3級】そしゃく・嚥下の機能に相当程度の障害を残すもの。具体的には次の通りです。

  • 経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないためにゾンデ栄養の併用が必要なもの
  • 全粥又は軟菜以外は摂取できない程度のもの
  • そしゃく・嚥下の機能に障害を残すもの、つまり、ある程度の常食は摂取できるが、そしゃく・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のものであり、かつ症状が固定していないもの

そしゃく・嚥下の機能の障害の程度は、

摂取できる食物の内容、摂取方法によって上記のように区分されますが、

関与する器官、臓器の形態・機能、栄養状態等も十分考慮して、

総合的に認定するとされています。

 

なお、障害厚生年金と傷病手当金とは併給調整されます。

 

障害厚生年金と傷病手当金の併給調整について

障害厚生年金を受給している期間と傷病手当金を受給している期間が重なっている場合、

傷病手当金について減額調整されます。

  • 傷病手当金>障害厚生年金の場合、傷病手当金は差額分が支給されます。
  • 傷病手当金<障害厚生年金の場合、傷病手当金は支給されません。

 

また、老齢年金と障害年金の受給権が両方とも得られた場合、

原則としてはどちらか一方の年金を選択します。

例外として、

65歳以降は障害基礎年金と老齢厚生年金の併給が可能となるため、

老齢基礎年金との組み合わせより受給額が増える場合があります。

障害年金と老齢年金の両方の受給権を得られた場合の組み合わせ

障害年金と老齢年金の両方の受給権を得られた場合の受給可能な組み合わせは、

  • 障害基礎年金+障害厚生年金
  • 老齢基礎年金+老齢厚生年金
  • 障害基礎年金+老齢厚生年金

の3通りとなり、上記の中から有利なものを選択することになります。

また、途中で選択替えをすることも可能です。

 

多系統萎縮症は進行性の病気のため、

障害認定日の頃は、症状がさらに進行していることも考えられます。

障害認定日の到来を待って、申請をしましょう。

 

障害年金の申請について

障害の状態によって等級が決まりますが、

提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり

というケースが数多くあります。

そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。

審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、

1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。

慎重にご準備ください。

申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。

 

社労士への依頼も合わせてご検討ください

よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。

私は元厚生労働省の事務官ですので、

役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で認定を得ています。

もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。

疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。

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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

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