では、どのような状態なら糖尿病で障害年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態なら糖尿病で障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
▼障害厚生年金
1級、2級、3級
障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
糖尿病の認定基準
糖尿病による障害の程度は、合併症の有無及びその程度、代謝のコントロール状態、治療及び症状の経過、具体的な日常生活状況等を十分考慮し、総合的に認定するとされています。
以下のすべてを満たすものについて、3級に認定されます。
- 90日以上のインスリン治療を行っている
- Cペプチド値、重症低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群のいずれかが一定の程度
- 日常生活の制限が一定の程度
症状、検査成績および具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定されることも考えられます。
本事案の場合
「妻は現在55歳で、30年間専業主婦です」とのことですので、初診日は国民年金の被保険者であったものと拝察いたします。
初診日に国民年金被保険者であった場合、障害基礎年金の請求となり、2級以上に該当しなければ受給することができません。
上記の通り、糖尿病については3級の基準しか設けられておらず、2級以上に該当する場合は例外として扱われていますので、糖尿病で2級の認定を得ることは簡単ではないでしょう。
しかしながら、合併症については以下のように扱われます。
糖尿病の合併症の取扱いについて
- 糖尿病性網膜症を合併したものによる障害の程度は、「眼の障害」の認定要領により認定する。
- 糖尿病性壊疽を合併したもので、運動障害を生じているものは、「肢体の障害」の認定要領により認定する。
- 糖尿病性神経障害は、激痛、著明な知覚の障害、重度の自律神経症状等があるものは、「神経系統の障害」の認定要領により認定する。
- 糖尿病性腎症を合併したものによる障害の程度は、「腎疾患による障害」の認定要領により認定する。
糖尿病は人工透析に至らないと障害年金を受給できないのか
人工透析療法施行中のものは、原則として2級と認定されるため、障害基礎年金の請求でも認定を得ることができます。
しかし、上記の通り合併症によって症状が出ている箇所の認定基準に従って審査されるため、人工透析に至らなければ認定を得られない、などということはありません。
本事案の場合
本事案の場合、視力低下があるとのことですので、視力の障害の認定基準によって審査をされます。
視力障害の認定基準
|
障害の等級
|
障害の状態
|
|
1級
|
- 両眼の視力がそれぞれ 0.03 以下のもの
- 一眼の視力が 0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの
|
|
2級
|
- 両眼の視力がそれぞれ 0.07 以下のもの
- 一眼の視力が 0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの
|
|
3級
※障害厚生年金のみ
|
- 両眼の視力がそれぞれ 0.1 以下に減じたもの
- 障害手当金の程度であり症状固定していないもの
|
|
障害手当金
※障害厚生年金のみ
|
- 両眼の視力がそれぞれ 0.6 以下に減じたもの
- 一眼の視力が 0.1 以下に減じたもの
|
本事案の場合、障害基礎年金の請求となりますので、上記2級以上に該当すれば、認定を得ることができます。
必ずしも、人工透析に至らなければ受給できないというものではありませんので、障害年金の請求を前向きにご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。