糖尿病と合併症だけでは障害年金の受給は難しいのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私の妻は現在55歳で、30年間専業主婦です。
持病の糖尿病が悪化して、インシュリン治療を開始しました。
視力の低下などの合併症もあり、生活に支障をきたしています。
役所に障害年金の相談をしたのですが、人工透析まで至らないと受給は難しいと言われました。
やはり糖尿病と合併症だけでは障害年金の受給は難しいのでしょうか?
本回答は2019年1月現在のものです。
人工透析療法施行中のものは、原則として2級と認定されるため、
障害基礎年金の申請でも認定を得ることができますが、
糖尿病については、次のいずれかに該当するものを3級と認定されるため、
障害基礎年金の申請では、認定を得ることは困難なケースが多くあります。
糖尿病による障害の認定について
糖尿病による障害の程度は、
合併症の有無及びその程度、代謝のコントロール状態、治療及び症状の経過、
具体的な日常生活状況等を十分考慮し、総合的に認定するとされています。
糖尿病の認定基準
以下のすべてを満たすものについて、3級に認定されます。
- 90日以上のインスリン治療を行っている
- Cペプチド値、重症低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群のいずれかが一定の程度
- 日常生活の制限が一定の程度
症状、検査成績および具体的な日常生活状況等によっては、
さらに上位等級に認定されることも考えられます。
障害基礎年金か障害厚生年金かについては、以下の通りです。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
※初診日とは…障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
ご質問内容からは、糖尿病の初診日がわかりかねますが、
専業主婦の期間中に初診日がある場合は、障害基礎年金の申請となり、
障害の状態が2級以上に該当する場合、支給されます。
そのため、糖尿病のみでは認定を得ることは難しい場合が考えられます。
ただし、糖尿病性網膜症を合併したものによる障害の程度は、
眼の障害の認定基準により認定されるため、
視力障害で2級以上に該当する程度であれば、認定が得られることが考えられます。
視力障害の認定基準について
- 1級…両眼の視力の和が0.04以下のもの
- 2級…両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
- 3級…両眼の視力が0.1以下に減じたもの、または、障害手当金の程度であり症状固定していないもの
- 障害手当金…両眼の視力が0.6以下に減じたもの、または、一眼の視力が0.1以下に減じたもの
上記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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