在宅酸素療法を開始した時は常時していなかったので、障害認定日から障害年金をもらうことはできませんか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私の父は間質性肺炎のため1年前から在宅酸素療法をしています。
始めた当初は一日中ではありませんでしたが、今は常時24時間在宅酸素をしています。
障害年金は在宅酸素療法を開始した日からもらえるようですが、父の場合、在宅酸素を開始したときは常時24時間ではなかったので、障害認定日から障害年金をもらうことはできないということでしょうか?
その場合は、今から申請すれば障害年金がもらえるということでしょうか?
障害年金は、在宅酸素療法を開始した日からもらえるのではありません。
障害年金は、障害認定日が到来すれば請求することができます。
障害認定日時点で障害の等級に該当すると判断されれば、障害認定日の属する月の翌月分から障害年金を受給することができます。
在宅酸素療法を施行した場合の障害認定日
障害認定日とは障害の程度の認定を行うべき日をいい、在宅酸素療法を施行中の場合の障害認定日は、以下のいずれか早い方となります。
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 在宅酸素療法を開始した日
※初診日とは、障害の原因となった傷病について初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
では、在宅酸素療法施行中の場合、どのように扱われるか確認しましょう。
在宅酸素療法を施行中の場合の障害年金について
原則として、以下のいずれも満たしているものは、3級と認定されます。
- 常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中
- 軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度
なお、臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定するとされています。
本事案の場合1
本事案では、障害認定日の時点で24時間の在宅酸素療法を行っていたかどうかわかりかねますが、障害認定日時点で在宅酸素療法を行っていなかったとしても、以下の認定基準に該当する程度であれば、障害認定日から障害年金が支給される可能性が考えられます。
呼吸器疾患の認定基準
【A表 動脈血ガス分析値】
区分
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
1
動脈血O2分圧
Torr
70~61
60~56
55以下
2
動脈血CO2分圧
Torr
46~50
51~59
60以上
(注)病状判定に際しては、動脈血 O2分圧値を重視する。
【B表 予測肺活量1秒率】
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
予測肺活量1秒率
%
40~31
30~21
20以下
【1級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が高度異常を示すもの
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもの
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
【3級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するが、その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定するとされています。
障害認定日時点では障害年金の等級に該当しなかった場合
傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。
これを事後重症請求といいます。
事後重症請求で障害年金の認定を得ることができた場合、請求日の属する月の翌月分から受給することができます。
本事案の場合2
障害認定日時点で障害年金の等級に該当しない場合、事後重症請求を行い、今後の分の障害年金を確保することを検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。
当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。
最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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