脳脊髄液減少症と診断されたときは会社員だったのですが、障害厚生年金が申請できるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は子供の頃から頭痛や倦怠感があり、朝起きることができず、不登校児でした。
その頃は思春期特有のものと言われていましたが、一向によくならず、
高校生の時は精神科で自律神経失調症と言われていました。
20歳を過ぎて脳脊髄液減少症という病気のこと知り、この病気だと診断されました。
今はブラッドパッチという治療を行ない、症状はだいぶ改善しました。
脳脊髄液減少症と診断されたときは会社員だったのですが、
私の場合、障害厚生年金が申請できるのでしょうか?
本回答は2019年7月現在のものです。
ご質問者様の場合、子供の頃から頭痛や倦怠感があったとのことですので、
現在の脳脊髄液減少症と相当因果関係があると判断された場合は、
初診日は20歳前となり、障害基礎年金の申請になります。
しかし相当因果関係はなく、会社員の時が初診日と判断された場合は、
障害厚生年金の申請になります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
相当因果関係とは
前の疾病または負傷がなかったならば、
後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合は、
相当因果関係ありと見て前後の傷病を同一傷病として取り扱います。
そのため初診日は、
前の疾病または負傷について初めて医師等の診療を受けた日となります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
脳脊髄液減少症は、
頭部への強い衝撃(交通事故や転倒)などで脳や髄液を覆う硬膜に穴が開き、
脳脊髄液(髄液)が持続的ないし断続的に漏出することによって、脳髄液が減少し、
頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、視機能障害、
倦怠・易疲労感などを引き起こすと考えられている疾患です。
脳脊髄液減少症については、肢体の障害用診断書で申請をしますが、
日中(起床から就床まで)の臥床時間が重要となります。
診断書の「その他の精神・身体の障害の状態」欄に、
日中の臥床時間を明記していただき、提出します。
脳脊髄液減少症の認定基準を一部例示すると、以下の通りです。
現在は症状はだいぶ改善したとのことですが、
以下の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
脳脊髄液減少症の認定基準について
【1級】
- 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの、たとえば、障害の程度は、閉眼での起立・立位保持が不可能であり、開眼での直線10メートル歩行が困難である。また、全身の痛みがひどく心身ともに疲弊しており、日常生活動作が一人で全くできない、又は一人でできるが非常に不自由な状態で、ほとんど介助を要する状態で、日中の大半を臥床して過ごしているもの
【2級】
- 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの、たとえば、障害の程度は、閉眼での起立・立位保持が不可能であり、開眼での直線10メートル歩行が困難である。また、頭痛やめまいをはじめとする多様な症状のため、日常生活動作が一人でできてもやや不自由、又は一人でできるが非常に不自由な状態であり、外出も困難で労働能力はないもの
【3級】
- 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの、たとえば、閉眼での起立・立位保持が不安定で、開眼での直線10メートル歩行に支障がある。また、頭痛や上背部痛などの多様な症状のため、日常生活動作の大半が一人でできてもやや不自由な状態であり、労働能力が大幅に低下しているもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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