精神障害として生活保護を受給中。体の障害として障害年金がもらえるのですか?

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精神障害として生活保護を受給中。体の障害として障害年金がもらえるのですか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
  • 詳しいプロフィール
公開日:

私の兄は48歳で、3歳の時にてんかんを発病し以降、

診察、薬物療法で治療しています。

5年前からはうつ病もあり働けないので、

精神障害として生活保護をもらっています。

1年前に胃がんがみつかり、

手術もできない状態で抗がん剤治療で様子をみていくことになったのですが、

この場合、体の障害として障害年金がもらえるのですか?

国民年金は、恐らく全額納めていないと思うのですが、

それでも障害年金を受けられるものなのでしょうか?

本回答は2017年10月時点のものです。

 

障害年金と生活保護は、

両方の受給権を得ることは可能ですが、両方を満額受給することは出来ません。

 

生活保護と障害年金の関係

生活保護と障害年金の両方の受給権を得られた場合、

障害年金は満額支給され、生活保護費の方が調整を受けることとなります。

生活保護と障害年金は以下のような関係になります。

  • 最低生活費>障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は障害年金との差額分が支給されます。
  • 最低生活費<障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は支給されません。

 

障害年金の受給権が得られた場合は、障害の種類に関係なく、

生活保護費の方が調整を受けることになります。

 

生活保護の受給を開始された当時、精神障害であり、

現在は精神障害に加え胃がんを患っているとのことですが、

胃がんについて障害年金を請求し、受給権を得ることができたとしても、

生活保護と障害年金の両方を満額受給することはできません。

 

障害年金は、支給要件を満たすことができれば支給されます。

 

「初診日要件」とは

障害の原因となった病気やケガを医者か歯科医師に診てもらった日は、

国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか、

その加入していた制度によって、もらえる年金の種類が決まります。

 

「保険料納付要件」とは

初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。

  1. 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
  2. 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと

※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。

 

<生活保護を受けている場合>

国民年金保険料については法定免除となります。

法定免除の期間は未納期間ではありませんので、

上記の要件を満たすことになります。

 

「障害認定日要件」とは

障害認定日において、一定以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。

※障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、

  1. 初診日から起算して1年6月を経過した日
  2. 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)

のいずれか早い日となります。

 

20歳前に初診日がある場合の障害認定日は、以下の通りです。

20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日

20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日は、

  • 20歳の誕生日
  • 請求する傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した日

のいずれか遅い方となります。

 

障害認定日時点の診断書が取得できない等の理由で、

障害認定日請求ができない場合は、事後重症請求となります。

 

事後重症請求とは

傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において

障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、

その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、

65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。

これを事後重症請求といいます。

 

てんかん、うつ病、胃がんはいずれも障害年金の支給対象となっています。

それぞれの認定基準は、以下の通りです。

 

てんかんの認定に当たって

発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や

発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、

日常生活動作がどの程度損なわれ、

そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、

社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。

 

てんかんの認定基準

【1級】

  • 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの

【2級】

  • 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの

【3級】

  • 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの

(注)発作のタイプは以下の通りです。

  • A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
  • B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
  • C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
  • D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

 

うつ病の認定基準

  • 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
  • 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
  • 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの

 

悪性新生物の認定について

悪性新生物の障害認定にあたっては、組織所見とその悪性度、

一般検査及び特殊検査、画像診断等の検査成績、転移の有無、

病状の経過と治療効果等を参考とし、

認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定するとされています。

 

悪性新生物の認定基準は以下の通りです。

悪性新生物の認定基準

【1級】

  • 著しい衰弱又は障害のため、身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

【2級】

  • 衰弱又は障害のため、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
  • 衰弱又は障害のため、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの

【3級】

  • 著しい全身倦怠のため、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
  • 著しい全身倦怠のため、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。 例えば、軽い家事、事務など

 

複数の障害がある場合、併合により、

さらに上位等級に該当する場合もあります。

生活保護費との調整を受けることになりますが、

障害年金の申請を検討されてはいかがでしょうか。

 

なお、1年前に胃がんがみつかった、とありますので、

胃がんについては、

初診日から起算して1年6か月後に申請が可能となります。

 

障害年金の申請について

障害の状態によって等級が決まりますが、

提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり

というケースが数多くあります。

そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。

審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、

1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。

慎重にご準備ください。

申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。

 

社労士への依頼も合わせてご検討ください

よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。

疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。

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