障害年金とは?受給した場合のメリットとデメリットは?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は、15歳の時から適応障害、強迫性障害と診断されている20歳無職の男です。
最近ADHDがあることもわかりました。
人に少しきつい物言いをされるだけで心が病んでしまい、働いても1〜2日で辞めてしまいます。
障害年金を受給しようと思っているのですが、障害年金とはどのようなものなのでしょうか。
受給した場合のメリットとデメリットを教えてください。
障害年金は、老齢年金や遺族年金と同じ、公的年金のひとつです。
病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
公的扶助ではありませんので、生活保護を受ける際の、資産の調査や行動の制限などはありません。
障害年金は、直接の現金給付となります。
経済的な援助となることは、メリットのひとつといえるでしょう。
障害年金は非課税所得ですので、税金がかかることはありませんし、障害年金を受給していることで、将来の老齢年金が減ることもありません。
障害年金を受給することで直接のデメリットが生じることはありません。
ただし、以下の法定免除制度については注意が必要です。
法定免除とは
次に該当する「国民年金の第1号被保険者」は、届け出れば保険料が免除されます。
- 障害年金1級または2級を受けている
- 生活保護の生活扶助を受けている
- 国立及び国立以外のハンセン病療養所などで療養している
この国民年金保険料の免除期間については、老齢基礎年金の額は保険料を2分の1を納付したものとして計算されます。
そのため、将来の老齢基礎年金受給額が満額ではなくなります。
もし将来、障害の状態が回復し障害基礎年金が支給停止になり、老齢基礎年金を受けることになった場合、減額された老齢基礎年金を受けることになります。
法定免除を受けず、老齢基礎年金を満額に近づけるために保険料を納めることも可能です。
ご質問者様の場合、15歳の時から適応障害、強迫性障害と診断されているため、20歳前傷病の障害基礎年金の申請になります。
現在はADHD(注意欠陥多動障害)があるとのことですので、次の認定基準の1級もしくは2級に該当する場合、受給が可能となります。
参考にしていただき、障害基礎年金の申請をご検討されてはいかがでしょうか。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
発達障害の認定にあたって
ADHD(注意欠陥多動障害)などの発達障害については、社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定が行われます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
(本回答は2022年5月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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