障害厚生年金の初診日は、適応障害と診断された時かうつ病と診断された時かどちらでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は25歳の時に初めて精神科を受診し、適応障害と診断されました。
その時は半年くらい通っただけで終わりました。
そして30歳の時に再度受診し、うつ病と診断され、それからは通院を続けています。
現在40歳となり休職中ですが、退職する予定です。
障害厚生年金の申請を検討しているのですが、初診日は25歳の時でしょうか、それとも30歳の時でしょうか。
ご質問内容からは、通院をしていない期間の状態がわかりかねるため、どちらが初診日になるかの判断は致しかねますが、原則として、25歳の時に適応障害のため初めて受診した日になるでしょう。
適応障害と診断されていた後にうつ病を発症するケースについては、障害年金制度においては診断名の変更であり、あらたな疾病が発症したものではないことから別疾病とせず、「同一疾病」として扱われます。
そのため初診日は、適応障害のために初めて受診した日になります。
ただし、半年ほど通院した後、適応障害の症状がなくなり、病院にも行かず、通常の生活を5年以上(目安として)送っていたケースでは、適応障害は完治したものとして、初診日はうつ病のために初めて受診した日になる場合があります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
初診日の時点で厚生年金に加入している場合は、障害厚生年金の申請が可能となり、障害の状態が次の認定基準に該当する程度であれば受給が可能です。
初診日を特定し、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
(本回答は2022年3月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
適応障害に関するその他のQ&A
- 適応障害からADHDに診断が変わったので、障害年金の申請は可能でしょうか。
- 私は10年前から適応障害で精神科に通っています。1年前に発達障害を疑われ検査を受けたところ、ADHDと診断されました。子供の頃から忘れ物や失くしものが多かったり、周りの空気が読めなくて友達ができないことに納得しました。今まで適応障害は障害年金の対象にならないと聞いていたので申請はしなかったのですが、今回ADHDと診断されたので、障害年金の申請は可能でしょうか。またその場合、初診日は1年前に検査を受けた日でいいのでしょうか。
- 本人が一人で役所に行って障害年金の手続きをしたら、障害はないと判断されて不支給になるのですか?
- 私は高校生の時に初めて精神科を受診し、適応障害と診断されました。現在25歳で、アスペルガー症候群と診断され、障害者手帳3級を取得しています。就職をしても長続きせず金銭的に困っているので障害年金の申請を検討しています。ネットで調べると、本人が一人で役所に行って手続きをしたら障害はないと判断されて不支給になる、とありましたが、これは本当ですか?
- 10年前に一度だけ精神科を受診したことがあるのですが、障害年金の初診日になるのでしょうか。
- 私は10年くらい前に精神的にしんどい時があり、一度だけ精神科を受診しました。その時は特に診断名はなく、睡眠剤だけ処方されて終了しました。それから通院はしていなかったのですが、会社内のトラブルが続いていたことで精神的にしんどくなり、先月から別の精神科ですが通院を開始しました。うつ病と診断されて、現在は傷病手当金を受給しながら休職しています。このまま休職が続いたら障害年金の申請も検討しているのですが、私の場合、初診日は10年前になるのでしょうか。
- 障害年金をもらったら、厚生年金や健康保険は払わなくてよくなりますか?
- 私は会社でパワハラを受け、適応障害を発症しました。傷病手当金をもらいながら休職していましたが、1年半が過ぎるので会社を辞めようと思います。診断名も発達障害と軽度知的障害に変わったので、会社を辞めた後は障害年金をもらおうと思っています。障害年金をもらったら、厚生年金や健康保険は払わなくてよくなりますか?
- 障害年金は病名ではなく症状で受給できるか決まるのですか?
- 私は17歳の時に適応障害と診断されました。現在25歳で解離性障害と診断されています。年金事務所に尋ねると、障害年金は病名ではなく症状で受給できるか決まると言われました。私の場合、興奮すると自殺未遂や自傷行為をしてしまうので自宅療養も不可と言われています。このような状態ですが、障害基礎年金はもらえますか?