人工弁を入れていて身体障害者手帳1級を持っていますので、障害年金を受給できますよね?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
息子について相談です。
息子は現在15歳ですが、人工弁の置換術を受けています。
身体障害者手帳は1級を持っています。
今はワーファリンを飲んでいます。
今後、ワーファリンを飲むと血が出やすくなるから、けがには気をつけるように言われました。
仕事にも制限があるのではないかと心配しています。
人工弁を入れていて身体障害者手帳1級を持っていますので、
障害年金を受給できますよね?
本回答は2018年2月時点のものです。
人工弁を装着していて身体障害者手帳1級の交付を受けていたとしても、
必ずしも障害年金を受給できるとは限りません。
人工弁を装着した場合の障害年金
原則として、障害年金3級に認定されます。
ただし、人工弁を装着術後、6か月以上経過しており、
以下3点を満たす場合、2級に認定されます。
- 病状をあらわす臨床所見が5つ以上
- 異常検査所見が1つ以上
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
上記の通り、人工弁を装着した場合、原則として障害年金3級に認定されます。
しかしながら、障害年金3級は、障害厚生年金にしかない等級です。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
上記の通り障害厚生年金を申請するためには、
初診日が厚生年金の加入期間中にある必要があります。
ご質問者様のご子息の場合、
15歳時に人工弁置換術を受けているとのことですので、
初診日は20歳前の年金未加入期間中となります。
その場合、障害基礎年金の申請となります。
障害基礎年金の申請の場合2級以上に該当しなければ受給することができません。
障害年金の等級
- 障害基礎年金…1級、2級
- 障害厚生年金…1級、2級、3級、障害手当金
そのため、人工弁を装着術後、6か月以上経過しており、
以下3点を満たす場合に、障害年金2級を受給することが出来ます。
- 病状をあらわす臨床所見が5つ以上
- 異常検査所見が1つ以上
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
なお、身体障害者手帳1級をお持ちとのことですが、
身体障害者手帳と障害年金は以下のような関係にとなっていますので、
ご注意ください。
身体障害者手帳と障害年金の関係
身体障害者手帳と障害年金は、
根拠法、認定基準、審査機関の異なる全く別の制度となっています。
そのため両者の等級は対応していません。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったりというケースが
数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
血液に関するその他のQ&A
- 慢性リンパ性白血病は、障害厚生年金3級以上になりますか?
- 私は5年前に慢性リンパ性白血病と診断され、半年の入院。その後5年で再発し、現在入院中です。慢性リンパ性白血病(血液の癌)は、障害厚生年金3級以上に該当しますか?
- 65歳を過ぎてから血液疾患になった場合は、障害年金の該当になりますか?
- 65歳を過ぎてから多発性骨髄などの血液疾患になった場合、障害年金の該当になりますか?
- 血友病患者です。 どのような状態だと障害基礎年金が支給されるのでしょうか?
- 来年で満20歳になる血友病患者です。この度障害基礎年金の受給申請をしようと思うのですが、どのような状態だと支給されるのでしょうか?あと、国民年金の支払いが免除されると聞いたのですが、免除した場合は免除中の期間の年金の支給額が1/2になると聞きました。この場合はきちんと支払ったほうが良いのでしょうか?
- 腎臓移植後に障害年金を申請したが不支給でした。血液透析を3か月以上していないからですか?
- 私は子供の頃から腎疾患があり通院をしていました。20代に頃からクレアチニンが徐々に上昇し、腎不全と診断されました。31歳の時に2か月だけ血液透析を行い、腎臓移植を行いました。このような経緯で障害年金の申請を行ったのですが、1・2級に該当しないため、不支給ですというお知らせがきました。これは血液透析を3か月以上していないため認定されなかったのでしょうか?障害年金1.2級に該当しなくても、障害厚生年金3級には該当しないんでしょうか?
- 血液透析と同時に障害年金の診断書を先生に頼んでもいいものでしょうか?
- 腎臓病で血液透析を受けることになりました。透析と合わせて障害年金の申請しようと思っています。透析と同時に障害年金の診断書を先生に頼んでもいいものでしょうか?それともしばらく透析を受けてから依頼した方がいいのですか?