脳性麻痺と発達障害の両方で障害年金を申請すれば受給できるでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は脳性麻痺で身体障害者手帳5級と、発達障害で精神保健福祉手帳3級を持っています。
この両方で障害年金を申請すれば受給できるでしょうか。
ご質問内容からは、障害の状態やいつから病院を受診しているかなど、詳細がわかりかねるため、障害年金が受給できるかの判断は致しかねます。
例えば、生まれたときから脳性麻痺のため受診していることが明確であり、現在の肢体の機能障害が、障害年金の認定基準に該当する程度であれば、20歳前傷病の障害基礎年金の受給が可能でしょう。
また、発達障害についても幼少期から受診していることが明確で、現在の状態が認定基準に該当する程度であれば、同じく20歳前傷病の障害基礎年金の受給が可能でしょう。
双方とも受給が可能であれば、併合でさらに上位等級に改定される可能性も考えられます。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
体幹の機能の障害の認定基準
【1級】
- 体幹の機能に座っていることができない程度の障害を有するもの。具体的には、腰かけ、正座、あぐら、横座りのいずれもができないもの
- 体幹の機能に立ち上がることができない程度の障害を有するもの。具体的には、臥位又は座位から自力のみで立ち上がれず、他人、柱、杖、その他の器物の介護または補助によりはじめて立ち上がることができる程度のもの
【2級】
- 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの。具体的には、室内においては、杖、松葉杖、その他の補助用具を必要とせず、起立移動が可能であるが、野外ではこれらの補助用具の助けを借りる必要がある程度のもの
肢体の障害の認定について
肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
肢体の障害の認定基準
【1級】
- 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
- 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
【2級】
- 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
- 四肢に機能障害を残すもの
【3級】
- 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの
発達障害の認定について
発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
しかし、子供の頃に受診したことはあるが、時期が古くてカルテがない場合や、発達障害で初めて受診した日が20歳以降であり、その時点で保険料を納めていない場合は、申請できない場合も考えられます。
また、申請ができても、障害の状態が認定基準に該当しない場合は、認定を得ることはできません。
このように、障害年金については、多くのことを確認する必要があり、また、手帳の等級とは連動しないため、障害の状態について、上記の認定基準に照らし合わせる必要があります。
詳細は分かりかねますが、これらについて参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
(本回答は2022年4月現在のものです。)
障害年金の申請について
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06-6429-6666
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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