障害年金がもらえなくても、国民年金保険料の支払いを待ってもらえる?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は去年パニック障害になってしまいました。
さらにADHDもあることが分かりました。
パニック障害やADHDでは障害年金がもらえないと医師から聞きました。
そこで、国民年金保険料についてなのですが、
障害年金がもらえなくても、支払いを待ってもらうことは出来るのでしょうか?
本回答は2017年9月時点のものです。
パニック障害は原則として認定の対象とされていませんが、
ADHD(注意欠陥多動性障害)は障害年金の認定の対象となっています。
神経症での障害年金申請について
神経症にあっては、原則として障害年金の認定の対象となりません。
そのため、パニック障害は原則として認定の対象とされていません。
「神経症にあっては原則として認定対象とならない」とは、
その傷病による障害については、それがどのようなものであっても、
その状態をもって、
障害等級に該当する程度以上の障害の状態にあたるものとはしないとの趣旨となっております。
ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、
統合失調症または気分障害に準じて取り扱うとされ、
例外的に認定の対象となります。
また、ADHD等障害年金の認定の対象となる傷病を併発されている場合も、
障害年金の認定の対象となります。
そのため、障害の状態が障害等級に該当すると判断された場合、
障害年金を受給することができます。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の各等級に該当する障害の状態は以下の通りです。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の認定基準
- 1級…社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
- 2級…社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
- 3級…社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
障害の状態が、上記の認定基準に該当する程度であれば、
障害年金が受給できる可能性も考えられます。
国民年金保険料の法定免除について
障害基礎年金の認定が得られると、
認定された日を含む月の前月の保険料から法定免除となります。
受給決定後、すみやかに「国民年金保険料免除事由該当届」を提出する必要があります。
法定免除を受けることができない場合、
申請免除や納付猶予制度を利用することができます。
申請免除とは
国民年金の第1号被保険者本人、保険料連帯納付義務者である世帯主・配偶者のいずれもが、
以下のいずれかに該当するときは、申請して承認を受ければ、
保険料の全額または一部の納付義務が免除されます。
- 所得が低いとき
- 本人またはその世帯の人が生活保護の生活扶助以外の扶助を受けているとき
- 保険料の納付が著しく困難なとき等
※申請免除には全額免除と3/4免除、半額免除、1/4免除があります。
若年者納付猶予制度とは
20歳から50歳未満で、
本人および配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合、
保険料の納付が猶予されます。
国民年金保険料は未納のままにせず、免除制度や納付猶予制度を利用しましょう。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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