適応障害とうつ病で傷病手当をもらっているが、自動的に障害年金に切り替わる?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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  私は24歳会社員です。(休職中) はじめは17歳ごろに適応障害と診断され、大学の頃まで通っていたのですが、 就職を機に今の病院へ転院しました。 今の主治医からは適応障害とうつ病と言われています。 仕事では人間関係を築けず、 行動も鈍いので、怒られてばかりです。 てんかんもあるせいか、意識がもうろうとして頭が働かず、復帰することができません。 今は傷病手当をもらっているのですが、これは自動的に障害年金に切り替わるのでしょうか? それとも通常の申請手続きが必要でしょうか? 3級くらいにはなるかと思うのですが、もしだめだったら不服申し立てをするのですか? 
- 本回答は2017年5月時点のものです。 - 現在休職中で、傷病手当金を受給されているとのことですが、 - 自動的に障害年金に切り替わることはありません。 - 通常の障害年金の申請手続きが必要です。 - 勤務先を通じて手続きを行う傷病手当金の申請と違い、 - 障害年金はご自身で手続きをすることになります。 - なお、傷病手当金を受給中であっても障害年金の申請は可能です。 - ただし、障害厚生年金を受給する場合は、併給調整されます。 - 障害厚生年金と傷病手当金の併給調整について- 障害厚生年金を受給している期間と傷病手当金を受給している期間が重なっている場合、 - 傷病手当金について減額調整されます。 - 傷病手当金>障害厚生年金の場合、傷病手当金は差額分が支給されます。
- 傷病手当金<障害厚生年金の場合、傷病手当金は支給されません。
 - ご質問者様の場合、17歳ごろに適応障害と診断されており、 - 現在の適応障害とうつ病とは相当因果関係があるとされることが考えられます。 - 17歳の頃の適応障害での受診と現在の受診の間に相当因果関係がある場合、 - 今の病院ではなく、17歳の時の初診が初診日とされ、 - 障害基礎年金の申請となります。 - 障害厚生年金か障害基礎年金か- 障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、 - 初診日に加入していた年金制度によって決まります。 - 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
 - 障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級、3級および障害手当金
 - 上記の通り、3級という等級は厚生年金にしかない等級です。 - 障害基礎年金で受給権を得るためには、2級以上に相当する必要があります。 - うつ病の認定基準を一部例示すると、以下の通りです。 - うつ病の認定基準- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
 - また、てんかんもあるとのことですが、てんかんも障害年金の認定対象となっています。 - てんかんの認定基準は以下の通りです。 - てんかんの認定基準- 【1級】 - 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
 - 【2級】 - 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
 - 【3級】 - 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの
 - (注)発作のタイプは以下の通りです。 - A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
 - 上記の障害の状態は、「十分な治療にかかわらず」発作があることが前提です。 - また、てんかんの認定にあたっては、 - その発作の重症度や、発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、 - 日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのか、 - という社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。 - ご質問者様は、適応障害の診断も受けているとのことですが、 - 適応障害は原則として障害年金の認定の対象とされていません。 - 神経症での障害年金申請について- 神経症にあっては、原則として障害年金の認定の対象となりません。 - そのため、適応障害も原則として認定の対象とされていません。 - なお、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、 - 統合失調症または気分障害に準じて取り扱うとされ、 - 例外的に認定の対象となります。 - ご質問者様の場合、 - 適応障害は原則として認定対象となりませんが、うつ病は認定の対象となります。 - もし2級以上に該当しないという理由で不支給となった場合、 - 不支給決定に対して、不服申立てをすることができます。 - 審査請求とは- 決定に不服があるときは、 - その決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、 - 文書または口頭で審査請求をすることができます。 - 障害年金の不服申立ては、最初の決定が誤りである理由を適示し、 - 求める決定をするべき理由を提出する必要があります。 - 先の診断書や病歴・就労状況等申立書の内容が、 - 障害認定基準と照らし合わせて、等級に該当しているか確認する必要があります。 - 審査請求で不支給になった場合は、再審査請求をすることができます。 - また、障害の状態がさらに悪化した場合は、再度診断書を取得し、 - 事後重症請求をすることができます。 - 障害年金は1度の不支給決定で「もう決してもらえない」と決まるわけではありません。 - 不支給となった場合でも、やれることはあります。 - 障害年金の申請について- 障害の状態によって等級が決まりますが、 - 提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり - というケースが数多くあります。 - そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。 - 審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、 - 1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。 - 慎重にご準備ください。 - 申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。 - 社労士への依頼も合わせてご検討ください- よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。 - 私は元厚生労働省の事務官ですので、 - 役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で認定を得ています。 - もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。 - 疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。 
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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