初診から1年半の証明が取れなければ、5年さかのぼっての障害年金請求は無理ですか?

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初診から1年半の証明が取れなければ、5年さかのぼっての障害年金請求は無理ですか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
  • 詳しいプロフィール
公開日: 最終更新日:

私は50代専業主婦です。

統合失調症と診断され、幻聴もあり外出困難で、生活面は主人がやってくれています。

障害年金の申請をしたくて進めているところなのですが、初診が24年前なので、廃院していてカルテがありません。

現在かかっている病院に紹介状があるので、初診の日付は分かったのですが、1年半後の証明が取れません。

当時の主治医は高齢で亡くなられているため、証明できる先生もいません。

初診から1年半の証明が取れなければ、5年さかのぼっての請求は無理ですか?

1年半の証明をしてくれるはずの先生がお亡くなりになって書けないということは、特例として認めてもらえませんか?

障害年金の請求において、障害認定日にさかのぼって請求することを遡及請求といいます。

まず、遡及請求をするために必要なことを整理し、遡及請求が可能かを検討し、次に、遡及請求ができない場合はどうするかについて確認しましょう。

遡及請求とは

遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。

障害認定日とは

障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、以下のいずれか早い日となります。

  • 「初診日」から起算して1年6月を経過した日
  • 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
遡及請求で障害年金を受給するために必要なこと

障害年金の審査を受けることが受ける時点は、以下2時点しかありません。

  • 障害認定日(原則として初診日から1年6月を経過した日)
  • 現在

遡及請求とは、上記障害認定日時点で審査を受けることを指します。

遡及請求を行い、さかのぼって受給をするためには以下のすべてを満たす必要があります。

  • 初診日が特定できていること
  • 障害認定日から3か月以内に受診があり、医療機関に当時のカルテが残っていること
  • 当該カルテに障害年金用診断書を作成することができる情報が記載されていること
  • 医師が診断書を作成してくださること
  • 審査の結果、障害年金の等級に該当すること

審査の結果、障害認定日の時点で障害等級に該当すると判断された場合、障害認定日にさかのぼって受給権が得られ、障害認定日の翌月分から現在までの障害年金(最大5年分)をさかのぼって受給することができます。

遡及請求で認定を得ることは容易ではありませんが、認定を得ることができれば生活に大きな助けとなります。

本事案の場合

本事案の場合、初診日は特定できているが、障害認定日に受診していた医師が他界されており障害認定日時点の診断書を取得できない、という状況であると拝察いたします。

障害年金用の診断書は、診療録(カルテ)に基づいて記載されます。

主治医が亡くなっていても、診療録があれば、それに基づいて他の医師に記載していただくことは可能です。

一方、廃院等により診療録がない場合は、主治医がご存命であっても、診断書を作成いただくことは難しいでしょう。

障害認定日時点で審査を受けるためには、障害認定日時点の診断書が必要であり、障害認定日時点の診断書を取得できない場合は、原則として遡及請求はできません。

残念ながら、「主治医が他界されている場合は診断書がなくても審査をする」という特例はありません。

なお、障害認定日当時の診断書なしに「他の記録から症状を認定できる」として、遡及請求を認めた判例は存在しますが、飽くまで裁判で争った結果であり、通常の請求で診断書なしに遡及請求が認められる可能性は極めて低いでしょう。

なお、初診日の特定ができ、保険料納付要件を満たし、現時点で医療機関にかかっている場合は、事後重症請求が可能でしょう。

事後重症請求とは

傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。

これを事後重症請求といいます。

事後重症請求で障害年金の認定を得ることができた場合、請求日の属する月の翌月分から受給することができます。

では、どのような状態なら統合失調症で障害年金を受給できるか、確認しましょう。

どのような状態なら統合失調症で障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

▼障害厚生年金
1級、2級、3級

障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

統合失調症の認定について

統合失調症は、罹患後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもある。

したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮するものとされています。

1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。

障害年金の等級 障害の状態
3級
※障害厚生年金のみ
労働に著しい制限があるもの
2級 日常生活に著しい制限があるもの
1級 他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの

本事案の場合、遡及請求を行うには非常に高いハードルがあるでしょう。

上記の事後重症請求で認定を得ることも視野に入れ、障害年金の請求を前向きにご検討されてはいかがでしょうか。

障害年金を受給するために

障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。

そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

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