トゥレット症候群で精神の手帳3級。障害年金の申請を考えています。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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今は28歳でトゥレット症候群で精神の手帳3級を持ってます。
発症したのは9歳くらいですが、当時は自分では受診せず、
母が代わりに病院に行き医師に相談をしていたそうです。
私の症状は運動チックの他に叫び、汚言などかなり酷く、
環境が変わったり、緊張が続くようなことがあると、強迫神経症が出ます。
職場では障害者枠で働いているので、ある程度理解していただいているのですが、
申し訳ない気持ちになります。
これから一人暮らしをしたいので、生活費のために障害年金の申請を考えています。
障害年金について先生に聞いたら、難しいって言われました。
障害年金を受けれそうかどうか教えてください。
あと、私は今の病院には18歳の会社員の時から通っているのですが、
障害厚生年金の申請になりますか?
本回答は2017年7月時点のものです。
トゥレット症候群は、音声チックを伴い複数の運動チックが、
一年以上持続する精神神経疾患です。
トゥレット症候群も障害年金の対象となっております。
障害年金の各等級に該当する障害の状態の基本は以下の通りです。
障害の状態の基本について
【1級】日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 他人の介助を受けなければ、ほとんど自分の用を弁ずることができない程度のもの
- 身の回りのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない又は行ってはいけないもの
- 病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
- 家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるもの
【2級】日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働による収入を得ることができない程度のもの
- 家庭内の極めて温和な活動(朝食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの
- 病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるもの
- 家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの
【3級】
- 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
ご質問内容からは日常生活状況がわかりかねますので、
受給の可否については判断いたしかねますが、
上記の認定基準に照らし合わせて、障害等級に該当していると思われるのであれば、
受給の可能性も考えられます。
医師からは受給は難しいと言われているのことですが、
医師は、障害の状態が認定基準に達していないと考えておられる可能性も考えられます。
また、就労していることで受給が難しいと考えておられる場合もありますが、
就労していても受給できる可能性は考えられます。
障害年金は、就労しているか否かの一事をもって受給の判断をするものではなく、
日常生活能力を判断し、障害等級に該当していると判断された場合は、認定を得ることができます。
なお、障害厚生年金の申請ができるかについては、
発症当初にお母さまが病院に相談に行かれているので、
その時が初診とされる可能性も考えられます。
その場合は、20歳前傷病の障害基礎年金の申請となります。
ただし、当時は相談のみであり、カルテなどに記載がない場合や、
その後数年間通院や服薬をしていない場合は、
初診とはされないことも考えられます。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
原則として、初診日については、
請求人が主張したものについて日本年金機構が審査します。
18歳の会社員の時の初診が初診日と主張し、認められた場合、
障害厚生年金の申請が可能となります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級、3級および障害手当金
障害年金の受給額は平成29年現在、以下の通りとなっています。
障害年金の受給額(平成29年)
- 障害基礎年金1級…年974,100円
- 障害基礎年金2級…年779,300円
- 障害厚生年金1級…年974,100円+報酬比例の年金額×1.25
- 障害厚生年金2級…年779,300円+報酬比例の年金額
- 障害厚生年金3級…報酬比例の年金額(最低保証額584,500円)
※障害基礎年金の受給権者に加算対象となる子がいる場合、子の加算を受けることができます。
※障害厚生年金1級、2級の受給権者に加算対象となる配偶者がいる場合、配偶者の加給年金を受けることができます。
ご質問者様も18歳の時を初診と主張し、
障害厚生年金の申請を検討されてはいかがでしょうか。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
私は元厚生労働省の事務官ですので、
役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で認定を得ています。
もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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