てんかんなので普段の日常生活能力に問題はありません。障害年金の受給が決定したら不正受給になりますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は子供の頃からてんかんがあり、今も月に1回は発作があります。
毎日作業所に通っています。
うつ病や他の精神疾患と違って、発作的に出る病気だから、
普段の日常生活能力に問題はありません。
これで障害年金の受給が決定したら、不正受給になりますか?
きちんと自分の日常生活能力を伝えて診断書を書いてもらい、
それをもとに判断してもらった等級ならば、それは不正受給にはならないですよね?
本回答は2018年4月現在のものです。
きちんと日常生活能力を伝え、
医師が障害の状態を判断し、作成いただいた診断書で障害年金を申請し、
認定を得られた場合、不正受給ではありません。
てんかんの各等級に該当する障害の状態は、以下の通りです。
てんかんの認定基準
【1級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの
(注)発作のタイプは以下の通りです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
ご質問内容にも記載されているように、
きちんと自分の日常生活能力を伝えて診断書を書いてもらい、
それをもとに判断してもらった等級ならば、それは不正受給にはなりません。
てんかん発作は多種多様であり、発作頻度に関しても、
薬物療法によって完全に消失するものから、
難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまで様々です。
ご質問者様のように、
発作の時以外の日常生活能力に問題はない方もおられます。
ご質問内容からは、
障害年金の認定が得られるかについては判断しかねますが、
正しく診断していただいて上で認定が得られた場合は、
不正受給とはなりません。
てんかんでの障害年金の申請について
発症から長期間申請していない場合、初診日の特定と証明が困難となります。
また、てんかんは発作の頻度、重症度のみで障害の状態を認定されるものではないため、
障害等級に該当するか否かの判断、十分な申請書類の作成等に
申請には専門知識が必要となります。
そのため、関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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