では、審査請求について確認しましょう。
審査請求とは
決定に不服があるときは、その決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、文書または口頭で審査請求をすることができます。
審査請求では、最初の決定が誤りである理由を適示し、求める決定をするべき理由を提出する必要があります。
この審査請求は、原則として最初の請求時に提出した書類をもう一度審査してもらうという手続きです。
本事案の場合
審査請求は、最初の請求時に提出した書類をもう一度審査してもらうという手続きですので、診断書を作り直して参考資料として提出しても、原則として審査請求の資料として採用されません。
最初に出した診断書は間違っていたから新たに書き直しました、という主張は採用されません。
また、診断書には、日常生活における動作の障害の程度の書き方として、補助用具を使用しない状態で判断してください、という指示が記載されていますし、一人でできてもやや不自由な場合には「○△」、一人でできるが非常に不自由な場合には「△×」を記入してくださいという記載もあります。
当然その指示に沿って記載されているものとして審査が行われますので、役所の窓口での案内が間違っていたという事実があったとしても、誤った決定がされた理由にはならないでしょう。
もう一度診断書を作り直したり、最初の案内が間違っているという主張は、審査請求の資料として採用されませんが、最初の診断書に書かれている筋力や関節可動域などから判断して等級に該当する、という主張であれば審査請求の趣旨および理由として採用されます。
では、どのような状態なら肢体の障害で障害年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態なら肢体の障害で障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
▼障害厚生年金
1級、2級、3級
障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
障害年金においては上記の等級に該当するかどうかを、「日常生活における動作」を中心に審査され、具体的には以下に該当するかどうかを判断されます。
1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。
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障害の程度
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障害の状態
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1級
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1. 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
2. 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
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2級
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1. 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2. 四肢に機能障害を残すもの
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3級
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一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの
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※上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定されます。
- 一上肢とは…右か左の腕
- 一下肢とは…右か左の足
- 四肢とは…両腕両足
- 「用を全く廃したもの」とは…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。
- 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。
- 「機能障害を残すもの」とは…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。
本事案の場合
新たに作成した診断書は審査請求の資料としては採用されませんが、新たな診断書により事後重症請求を行うことは可能です。
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事後重症請求とは
傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。
これを事後重症請求といいます。
事後重症請求で障害年金の認定を得ることができた場合、請求日の属する月の翌月分から受給することができます。
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事後重症請求を前向きにご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。