半身麻痺の状態が回復しているのですが、障害基礎年金は打ち切られるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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父は50代で脳梗塞で倒れ、半身麻痺の状態になりました。
障害基礎年金2級をいただきながら生活をしていますが、
5年経った現在、言語障害は回復し、ゆっくり話せば問題なく会話はできる状態です。
体については、ほぼ動かなかった半身が、
杖をついてなら歩行できるくらいに回復しております。
この状態だと、障害基礎年金は打ち切りになるのでしょうか?
本回答は2018年7月現在のものです。
障害年金において、言語障害、肢体障害の認定基準は、以下の通りです。
障害年金の対象となる失語症
障害年金の対象となる失語症とは、
大脳の言語野の後天性脳損傷(脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷や脳炎など)により、
一旦獲得された言語機能に障害が生じた状態のものをいいます。
失語症の障害の程度の認定について
障害年金の失語症の障害の程度は、
- 単語の呼称
- 短文の発話
- 長文の発話
- 単語の理解
- 短文の理解
- 長文の理解
により判断されます。
音声又は言語機能の障害による認定基準は以下の通りです。
音声又は言語機能の障害の認定基準
【2級】
- 発音にかかわる機能を喪失するか、話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方がほとんどできないため、日常会話が誰とも成立しないもの
【3級】
- 話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に多くの制限があるため、日常会話が、互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つもの
【障害手当金】
- 話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に一定の制限があるものの、日常会話が、互いに確認することなどで、ある程度成り立つもの
肢体の障害の認定について
肢体の機能の障害の程度は、
関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、
日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
各等級に相当すると認められるものを一部例示すると、以下の通りです。
半身まひの認定基準
【1級】
- 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない」又はこれに近い状態
【2級】
- 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」
【3級】
- 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」
ご質問内容から、言語障害については3級相当となる可能性も考えられますが、
肢体の障害については、2級の可能性も考えられます。
また2つ以上の障害があるときは、併合認定により、
さらに上位等級に認定されることもあります。
ご質問内容からは検査成績等の詳細が分かりかねますので、
等級の判断は致しかねますが、
支給停止となるとは限りません。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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