障害基礎年金の不服申立てで、新たな診断書、書類を提出すれば、不支給決定は覆りますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は関節リウマチのため左手で物を持つことができません。
そのため障害基礎年金を申請したのですが、等級に該当しないため不支給でした。
不服申し立てをしたいので、もう一度診断書を作成してもらい、
同僚や家族からの証言、自分の主張などを書類にまとめて提出したいと思っています。
これで不支給決定を覆すことはできるでしょうか。
本回答は2019年7月現在のものです。
不支給決定に納得ができないときは、不服申立て(審査請求)をすることができますが、
この審査請求は、請求時の診断書を基にもう一度審査をしてもらうものですので、
新たな診断書を添付しても、審査請求の資料としては原則としては採用されません。
審査請求とは
決定に不服があるときは、
その決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、
文書または口頭で審査請求をすることができます。
審査請求では、最初の決定が誤りである理由を適示し、
求める決定をするべき理由を提出する必要があります。
審査請求書には、どのような決定をしてほしいのか、
なぜ原請求の決定を変更してほしいのか、その理由は「困っているから」等ではなく、
ご自身の障害の状態を障害年金の認定基準に照らして、
どのような点から障害等級に該当するのかについて、論理的に記載します。
最初の診断書にどのように記載されているかが分かりかねますが、
先の診断書や申立書の内容が、下記の障害認定基準と照らし合わせて、
明らかに等級に該当しているのであれば、その旨をしっかり記載しましょう。
関節リウマチによる障害の程度の認定
関節リウマチによる障害の程度は、
関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、
日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
リウマチの症状が四肢に及ぶ場合の認定基準
リウマチの症状が四肢に及ぶ場合の1級、2級に該当する障害の状態は以下の通りです。
- 1級…四肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」
- 2級…四肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」
ただし、リウマチの疼痛については、認定対象とされていません。
疼痛について
疼痛は、原則として認定の対象となりません。
ただし、次の1〜4等の場合は、
発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚所見等により、以下の通りに取り扱います。
- 四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛
- 脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛
- 根性疼痛
- 悪性新生物に随伴する疼痛等
- 3級…軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のもの
- 障害手当金…一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
痛みが強くて日常生活動作に支障をきたしていると判断された場合は、
疼痛によるものとして3級の認定にとどまるケースもあります。
障害基礎年金の申請で3級では認定を得ることはできません。
疼痛によるものと判断されている場合は、
審査請求で決定を覆すことは難しい可能性も考えられますが、
日常生活に支障をきたしていることを主張し、
諦めずに審査請求をされてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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