両膝の人工関節そう入置換術を受け、普通に歩くことができますが、障害厚生年金はもらえますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は現在55歳会社員です。
私の病歴ですが、30歳の頃から膝の痛みがあり整形外科を受診。
40歳を過ぎたころから痛みが強くなり、45歳の時に左足の、48歳の時に右足の人工膝関節そう入置換術を受けました。
現在の状態は、普通に歩くことができ、激しい運動の制限はありますが、特に不自由はありません。
このような状態で障害厚生年金をもらうことはできるのでしょうか?
また障害認定日にさかのぼってもらえるそうですが、私の場合、左を手術した日が障害認定日になるのでしょうか?右を手術した日になるのでしょうか?
ご質問者様の場合、現在は両膝の人工関節そう入置換術を受け、普通に歩くことができ特に不自由はない、とのことですが、障害の状態は3級に相当します。
そのため、初診日の時点で厚生年金に加入し、「保険料納付要件」を満たすことができれば、障害厚生年金3級を受給することができます。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
※症状の重さによって等級が分けられています。
※3級が最も症状が軽く、2級、1級になるにつれて症状が重く、また受給額も多くなります。
保険料納付要件とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
上記の要件を確認し、障害厚生年金の申請をされてはいかがでしょうか。
なお、ご質問者様の障害認定日は、人工関節の手術をした日ではなく、初診日から1年6か月経過した日になります。
30歳の時に初めて整形外科を受診しているため、その日が初診日となり、その日から1年6か月経過した日が障害認定日になります。
人工関節置換術を受けた場合の障害認定日
障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、人工関節を受けた場合は、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 人工骨頭または人工関節をそう入置換した日
のいずれか早い日となります。
障害認定日にさかのぼってもらうためには、障害認定日の時点で、障害の状態が認定基準に該当する程度でなければもらえません。
障害認定日の時点ではまだ人工関節の手術はしておらず、膝の軽度の痛みであれば、さかのぼってもらうことは難しいかもしれません。
疼痛について
疼痛は、原則として認定の対象となりません。
ただし、次の1〜4等の場合は、発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚所見等により、以下の通りに取り扱います。
- 四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛
- 脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛
- 根性疼痛
- 悪性新生物に随伴する疼痛等
- 3級…軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のもの
- 障害手当金…一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
(本回答は2022年2月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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