再就職で障害厚生年金2級が支給停止になっても、うつ病が再発すれば再度請求することはできますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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半年前、うつ病で障害厚生年金2級に認定されました。
しかしこの半年で状態は上向き、医師にもほぼ完治に近いと言われました。
仕事ができるようになれば障害厚生年金は支給停止になると思いますが、
もし再就職後にうつ病が再発し、以前と同じ状態に戻り退職してしまった場合、
再度障害厚生年金を請求することはできますか?
本回答は2018年11月現在のものです。
障害年金の支給を停止されている方が、再び障害年金を受けられる程度になったときは、
支給停止事由消滅届を提出します。
これは新たに現在の状態を記載した診断書により、現在の状態について審査を受け、
等級に該当すると判断された場合、今後、支給が再開されるものとなっています。
なお、障害年金の更新で、仕事ができるようになれば支給停止になるとは限りません。
あくまでも障害の状態について審査されます。
就労している場合の日常生活能力については、以下のように判断されます。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、
その療養状況を考慮するとともに、
仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、
他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで
日常生活能力を判断されます。
障害年金の更新で、障害の状態は変わっていないのに減額改定や支給停止となり、
結果に納得がいかない場合は、不服申立て(審査請求)をすることができます。
審査請求とは
決定に不服があるときは、
その決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、
文書または口頭で審査請求をすることができます。
これは、障害状態確認届(更新用診断書)をもとに支給停止決定に対して不服を申立て、
決定を覆してもらうものです。
支給停止決定が誤りである理由を適示し、
求める決定をするべき理由を提出する必要があります。
また、障害厚生年金2級の支給を受けている方が3級に減額改定された場合は、
待期期間経過後は、額改定請求をすることができます。
額改定請求とは
障害の程度が重くなったときは、その旨を申し立て、
年金額の変更を請求することができます。
これを額改定請求といいます。
額改定請求の待期期間
額改定請求は原則として、次の日を経過した日以降にすることができます。
- 障害認定日請求により受給権を得た場合は、障害認定日から1年経った日
- 事後重症請求により受給権を得た場合は、裁定請求日から1年経った日
- 以前に額改定請求をした場合は、額改定請求日から1年経った日
- 障害状態確認届(現況診断書)提出により減額改定された場合は、誕生月から3ヶ月後の1日から1年経った日
- 障害状態確認届(現況診断書)提出により等級変更がなかった場合は、いつでも可能
うつ病の認定基準は以下の通りです。
更新の際は、参考にしていただけると幸いです。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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