障害年金の初診日は、障害の原因となった時ですか?それとも受診した時ですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は18歳の時にスクーターによる自損事故を起こし、
首を捻挫したようでしたが、痛みを我慢していました。
数日で痛みの症状は治まったので、病院には行きませんでした。
30歳の時に肩こりや首の痛みが激しくなり受診したところ、
頸椎の変形が見つかり、18歳の時の自損事故の影響だと言われました。
現在も投薬を続けながら仕事を続けていますが、手のしびれや脱力があり、
労働に支障をきたしています。
障害厚生年金3級に該当すると思うのですが、
私の場合初診日は、障害の原因となった18歳の時ですか?
それとも社会的治癒と考えて、受診した30歳の時になるのでしょうか?
本回答は2019年1月現在のものです。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
ご質問者様の場合、
障害の原因が18歳の時の自損事故だと診断されても、
その時点では診療を受けていないため、初診日とはなりません。
30歳の時に初めて受診した日が初診日になります。
また、18歳の時は受診していないため、社会的治癒は問題となりません。
社会的治癒とは
社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり社会復帰して、
無症状で医療を受けることなく相当期間(傷病にもよりますが、約5年程度)
経過している場合に、前の傷病と後の傷病を分けて取り扱う考え方です。
30歳の時点で厚生年金に加入し、保険料納付要件を満たしている場合は、
障害厚生年金の申請が可能です。
障害の状態が認定基準に該当する場合、支給されます。
下記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
保険料納付要件とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
上肢の機能障害の認定基準
【1級】
両上肢の機能に著しい障害を有するもの。
具体的には、両上肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が、次のいずれかに該当するもの
- 不良肢位で強直しているもの
- 関節の他動可動域が、参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
- 筋力が著減または消失しているもの
【2級】
1.一上肢の機能に著しい障害を有するもの。
具体的には、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が、
- 不良肢位で強直しているもの
- 関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
- 筋力が著減または消失しているもの
2.両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの
- 両上肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
【3級】
1.一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの。
「用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すものをいう。
2.一上肢の機能に相当程度の障害を残すもの。
例えば、一上肢の3大関節中1関節が不良肢位で強直しているもの
3.両上肢に機能障害を残すもの
例えば、両上肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
初診日に関するその他のQ&A
- 障害年金申請の受診状況等証明書は本人が来てもらわないと渡せないと言われました。
- 障害年金申請の受診状況等証明書を書いてもらおうと最初の病院に連絡すると、本人が来てもらわないと渡せないと言われました。本人が取りに行けない場合は、代理でもいいのでしょうか?それか郵送でやり取りしてもらえるのでしょうか?
- 初診のときに別の病院に通っていたことが今の病院にばれるのが心配です。
- 現在、うつ病で心療内科に通っています。経済的なことや日常生活などの状況が切羽詰まっているので、出来るだけ早く障害年金を申請しようと主治医にアドバイスをもらいました。今の病院に通う前に、内科にかかっていました。「この日を初診日にすれば診断書が早く書ける」と主治医から提案されました。しかし、実は内科にかかった時、別の精神科に通っていました。別の精神科に通っていたことは今の主治医には伝えず診察してもらいました。内科に初診日証明書を書いてもらう時に、別の精神科に通っていたことが、現在の心療内科の主治医にバレてしまわないか?という事が心配です。現在の心療内科では初診日からまだ1年半経過していません。内科を初診日とすると1年半以上になります。どうしたらいいでしょうか?
- 初診日が17歳の時になると、障害年金を遡及して受給できますか?
- 私は17歳の時に適応障害と診断され、約2ヶ月の間通いましたが診断名に納得ができず、通院をやめてしまいました。21歳の時に別の精神科を受診し、それから約10年間通院を続けています。現在の主治医からは「双極性障害」と診断をされているのですが、私の場合、初診日は17歳の時になるのでしょうか?その場合、障害年金を遡及して受給出来る可能性は低いですか?
- 今62歳です。60歳以降国民年金も厚生年金も払っていません。障害年金は受給できませんか?
- 初診日に厚生年金に加入していたら障害厚生年金をもらえると聞きました。私は60歳で定年退職し、その後うつ病を発症しましたので、厚生年金に加入していません。60歳を過ぎてからは国民年金も払っていません。今62歳ですが、障害年金はもう受給できないということでしょうか。
- 障害年金の初診日の証明書になるものはもらっておいた方がよいのでしょうか?
- 私は現在40代男性、うつ病のため精神科に通院しています。初診日は10年前になりますが、その後、病院を転々としています。障害基礎年金の申請にあたって、最初と2番目にカルテは残ってないけれど、データが残っていたようで、初診日は教えてもらえました。 受診状況等証明書は書けないが、初診日の証明書になるものを病院が出せますよとおっしゃって頂きました。この場合、その証明書はもらっておいた方がよいのでしょうか?