初診日の病院と現在の病院は違うのですが障害年金の診断書はどちらに書いてもらうのですか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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障害年金の申請について質問です。
当方、うつ病で通院中です。
初診日の病院と現在の病院は違うのですが、診断書はどちらの病院に書いてもらうのですか?
まだ市役所で受給資格があるか確認していませんが、事前に細かく知りたいです。
本回答は2019年10月現在のものです。
現在の病院には診断書を作成してもらうことになりますが、
初診日の病院は、初診日の証明(受診状況等証明書)を作成してもらいます。
ただし、遡及請求をする場合は、
障害認定日時点の診断書も作成してもらうことになります。
遡及請求とは
遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、
知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。
障害認定日から3か月以内の診断書を取得することができれば、
遡及請求を行うことができます。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 「初診日」から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
ご質問内容からは詳細が分かりかねますが、遡及請求をする場合、
初診日の病院に1年6か月以上通院していた場合は、
初診日の病院で遡及請求用の診断書を書いてもらうことになります。
ただし、初診日の病院の通院期間が短く、障害認定日の時点は現在の病院であった場合は、
現在の病院で遡及請求用の診断書を書いてもらうことになります。
初診日の病院では、受診状況等証明書の作成のみを依頼します。
現在の病院の診断書は、遡及請求、事後重症請求のいずれにも必要です。
事後重症請求とは
傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において
障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、
その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、
65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。
これを事後重症請求といいます。
障害年金の支給要件は、以下の通りです。
認定基準と併せて確認し、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するための3つの条件
- 初診日要件…障害の原因となった病気やケガを医者か歯科医師に診てもらった日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか
- 保険料納付要件…一定以上の年金保険料を納めているかどうか。
- 障害認定日要件…厚生労働省が定めた「障害の基準」を満たしているかどうか
「初診日要件」とは
初診日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか、
その加入していた制度によって、もらえる年金の種類が決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
「障害認定日要件」とは
障害認定日において、一定以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。
うつ病の認定基準は、以下の通りです。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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