初診の病院がすでに廃院されてカルテがありません。障害年金の申請は諦めるしかないのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は17歳の高校生の時に左耳が突発性難聴になりました。
そして26歳の時に右耳の聴力も落ち、30歳の時に失聴しました。
身体障害者手帳2級になったので、障害年金の申請をしたいのですが、
17歳の時の病院がすでに廃院されていて、カルテがありません。
当時は父の保険組合に入っていたので問い合わせましたが、記録はありませんでした。
この場合、障害年金の申請は諦めるしかないのでしょうか?
本回答は2019年12月現在のものです。
障害年金は、障害の状態がどれだけ重症であっても、
初診日の特定ができな場合は認定を得ることができないケースもあります。
廃院等のためカルテがないなどの場合は、
初診日を合理的に推定できるような一定の書類により、
本人が申し立てた日を初診日と認めることができます。
具体的に、次の場合には、審査の上、
本人の申し立てた初診日が認められます。
- 初診日について第三者(隣人、友人、民生委員など)が証明する書類があり、他にも参考資料が提出された場合
- 初診日が一定の期間にあることを示す参考資料が提出され、保険料納付要件など一定の条件を満たしている場合
※第三者(三親等以内の親族は認められません)による確認項目は、以下の通りです。
- 発症から初診日までの症状の経過
- 初診日頃における日常生活上の支障度合い
- 医療機関の受診契機
- 医師からの療養の指示など受診時の状況
- 初診日頃の受診状況を知り得た状況 など
お薬手帳や日付の入った診察券、学校の記録等があれば、
初診日を証明するのに参考となる書類となる可能性があります。
ご質問者様の場合、
初診日の特定ができれば20歳前傷病の障害基礎年金の請求が可能となります。
聴覚の障害の身体障害者手帳2級の程度は、
「両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの」ですので、
障害年金の認定基準に当てはめると、1級に相当する可能性が考えられます。
初診日を特定できる資料をなるべく集めて、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
聴覚障害の認定基準
【1級】
- 両耳の聴力レベルが100デジベル以上のもの
【2級】
- 両耳の聴力レベルが90デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
【3級】
- 両耳の平均純音聴力レベル値が70デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定していないもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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