交通事故のため障害年金を申請した場合、相手の過失割合によって支給の可否や金額が変わるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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交通事故のため、車いす生活となりそうです。
仕事は休職中ですが、復帰の目途は立ちません。
障害年金を申請した場合、相手の過失割合によって、
支給の可否や金額が変わるのでしょうか?
本回答は2018年7月現在のものです。
交通事故で障害を負い、障害年金を申請した場合、
相手の過失割合によって、支給の可否や金額が変わることはありません。
障害年金は、支給要件を満たしている場合、支給されます。
ただし、損害賠償を受取る場合は、以下の調整が行われます。
障害の原因が第三者行為による場合
障害年金の支給原因となった事故が第三者によって引き起こされた場合、
受給権者が障害給付と損害賠償を重複受給することを避けるため、
調整されます。
障害年金の受給権者が加害者から損害賠償を受けた場合、
事故日の翌月から起算して、最長36月の範囲内で支給停止が行われます。
この36か月は「最長36か月の範囲内」とされています。
過失割合などで減額された場合は、短くなることもあります。
なお、調整の対象となるのは損害賠償金の全額ではなく、
生活保障費相当額(逸失利益)のみが対象となります。
ご質問内容からは、
交通事故の時期や損害賠償の有無、障害の状態等がわかりかねますので、
上記の調整が行われるかは判断しかねますが、
まずは、障害年金の申請を検討されてはいかがでしょうか。
なお、下肢障害の認定基準は以下の通りです。
申請の際は参考にしてください。
下肢の障害の認定基準
【1級】
- 両下肢の用を全く廃したもの…両下肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの
【2級】
- 両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの、例えば、両下肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
- 一下肢の用を全く廃したもの…一下肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの
- 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
【3級】
- 両下肢に機能障害を残すもの、例えば、両下肢の3大関節中それぞれ一関節の筋力が半減しているもの
- 下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの、例えば、起床から就寝まで固定装具を必要とする程度の動揺関節をいう
- 身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったりというケースが
数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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