24歳の時を初診日とすれば20歳前障害にはならないので、障害年金3級がもらえるのでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は17歳の時に不眠症になり、初めて精神科で睡眠薬をもらいました。
その後は行ったり行かなかったりで、5年くらい受診していない期間があります。
24歳の時に今の精神科を初めて受診しており、不眠症とうつ病の診断を受けて、障害者手帳3級をいただいています。
働けない状態が続いているので障害年金を受給したいのですが、最初に精神科に行ったのが20歳前障害だから2級以上じゃないともらえないと言われました。
24歳の時を初診日とすれば20歳前障害にはならないので、障害年金3級がもらえるのでしょうか。
24歳の時が初診日であれば、20歳前傷病の障害基礎年金の請求にはなりませんが、24歳の時に国民年金に加入している場合は、通常の障害基礎年金の請求になります。
通常の障害基礎年金の請求の場合も、2級以上に該当しないと受給はできません。
20歳前傷病の障害基礎年金とは…
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が1級または2級に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
障害厚生年金を請求できるか、障害基礎年金の請求となるかは、初診日に加入していた年金制度によって決まります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級▼障害厚生年金
1級、2級、3級障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
なお、精神障害者保健福祉手帳と障害年金の関係は以下のようにされております。
精神障害者保健福祉手帳と障害年金について
精神障害者保健福祉手帳と障害年金は、根拠法も審査機関も認定基準も異なる全く別の制度であり、両者の等級は連動するものではありません。
障害者手帳の等級が3級でも、障害年金の等級が2級になる場合もあります。
本事案の場合
本事案の場合、24歳の時を初診日と認められない可能性も考えられます。
5年くらい受診していない期間があるとのことですが、社会的治癒が認められず、17歳時の受診と現在の不眠症とうつ病が同一のものと判断された場合は、17歳の時が初診日となります。
社会的治癒とは
社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり社会復帰して、無症状で医療を受けることなく相当期間(傷病にもよりますが、約5年程度)経過している場合に、前の傷病と後の傷病を分けて取り扱う考え方です。
以前に受診していたが、社会的に治癒しているため、後で受診した医療機関を初診日として主張することが社会的治癒の主張です。
社会的治癒を認め、後で受診をした医療機関を初診日として認定するか否かを判断するのは、保険者(年金機構)です。
「主張すれば認められる」というものではありません。
以下にうつ病の認定基準を記載しておりますので、ご参考ください。
うつ病の認定基準
障害の等級
障害の状態
1級
高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
2級
気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
※障害厚生年金のみ
気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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