障害が複数あっても、どれも軽度であれば障害年金を受けることは難しいでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は20代の頃からぶどう膜炎や胃腸炎を繰り返しており、ベーチェット病と診断されています。
最近は手足の関節の痛みがひどく、歩行には杖が必要で、茶わんや箸を持つことも困難です。
片目の視野欠損もあり、今まで正社員で働いたことはありません。
しかし、どの症状も軽度なので手帳の発行は難しく、障害者枠の仕事にも就くことができません。
障害が複数あっても、どれも軽度であれば障害年金を受けることは難しいでしょうか?
本回答は2021年4月現在のものです。
複数の障害がある場合、併合認定が行われる場合と、諸症状を総合的に認定される場合がありますが、ご質問者様の場合、肢体の障害と視野障害があるため併合認定が行われる可能性が考えられます。
ただし、視野障害については、片目の視野欠損とのことですので障害等級には該当しないことが考えらます。
実質的には肢体障害のみで判断されることが考えられます。
視野障害の認定基準について
【2級】
- 両眼の視野が5度以内(I/2視標)
- 両眼の視野が10度以内(I/4視標)であり、かつ中心10度以内の8方向の残存視野のそれぞれの角度の合計が56度以下(I/2視標)
【3級】(症状が固定していないもの)
- 両眼の視野が10度以内のもの
- 両眼による視野が2分の1以上欠損したもの…片眼ずつ測定し、それぞれの視野表を重ね合わせることで、測定した視野の面積が生理的限界の面積の1/2以上欠損しているもの
両上(下)肢の機能障害の認定基準
- 1級…両上(下)肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの
- 2級…両上(下)肢の機能に相当程度の障害を残すもの、例えば、両上(下)肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
- 3級…両上(下)肢に機能障害を残すもの、例えば、両上(下)肢の3大関節中それぞれ一関節の筋力が半減しているもの
一上(下)肢の機能障害の認定基準
- 2級…一上(下)肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの
- 3級…一上(下)肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの、例えば、起床から就寝まで固定装具を必要とする程度の動揺関節をいう
ただし、痛み(疼痛)については、以下のように取り扱われます。
疼痛について
疼痛は、原則として認定の対象となりません。
ただし、次の1〜4等の場合は、発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚所見等により、以下の通りに取り扱います。
- 四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛
- 脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛
- 根性疼痛
- 悪性新生物に随伴する疼痛等
- 3級…軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のもの
- 障害手当金…一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
ご質問者様の場合、正社員で働いたことがないとのことですので、障害基礎年金の申請になる可能性が考えられ、上記の認定基準の2級以上に相当する場合、障害基礎年金が受給できます。
例えば、上肢や下肢の関節可動域制限や筋力低下があり、2級の例示に当てはまる程度であれば障害基礎年金が受給できます。
しかし、痛み(疼痛)が主症状の場合は2級の例示が設けられていないため、障害基礎年金の受給は難しいことが考えられます。
これらを参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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